Hewlett-Packard(HP)が、大企業向けコンピューティング戦略を一新した。
HPは6日、Adaptive Enterpriseと呼ばれる新戦略を発表した。これは、企業がコンピュータシステムへの投資でより多くの見返りを得られるよう、一連の新製品やサービスを統合するものだ。
Adaptive Enterpriseの新サービスは、コンピュータネットワークやソフトウェアのアップグレードをより効率的に計画・運営し、その成果を計りたいと考える企業向けに設計されている。
HPの新Darwin Reference Architectureは、変化するニーズに対し企業が簡単・迅速に対応できるよう、ITインフラの構築を可能にするフレームワークで、新サービスはみな、このフレームワークを中心に設計されている。HPの一連の設計方針からなるこのフレームワークは、HPやネットワーク大手のCisco Systems、データベースソフト会社Oracleなどのハードウェアやソフトウェアなど、標準的な製品をベースにしている。
新戦略の発表と同時にHPは、新UnixサーバアプリケーションHP Virtual Server Environmentなどのハードウェア、ソフトウェア製品を発売した。HP Virtual Server Environmentは、企業がビジネスニーズに合わせたプライオリティに基づき、サーバリソースを監視・調節できるようにするアプリケーションだ。
またHPは、同社の企業向けコンピュータ管理ソフトウェアOpenViewに、自己修復機能を追加したアップデート版をリリースした。自己修復機能を含んだOpenViewでは、問題の発生を監視して、ITスタッフにその問題を修復するよう勧めることが可能になる。
さらにHPは、同社のBL20pシリーズに、Intelの3.06GHz Xeonチップを搭載した新ProLiantブレードサーバを追加した。
新製品は全て「各企業の事業と技術的能力の関連性がますます深まっている現状を反映したもの」だという。「今の世界では、あらゆるビジネス上の決定が、一連のITイベントを引き起こしている」とHPの最高技術責任者(CTO)Shane Robisonは声明で述べている。
一方IBMでは、大企業のIT活用を手助けする同様の戦略を既に始動しており、「オンデマンド」と呼ばれる新戦略に100億ドルを投入する予定だ。オンデマンドとは、ITインフラを構築するにあたって、企業が電気などの公共サービスと同じようにコンピューティングリソースを利用できることを目指す。IBMは昨年11月にオンデマンド戦略を発表して以来、新ソフトウェアサービスやグリッドコンピューティング計画など、さまざまな製品を多数発売している。
またIBMは、J.P. Morgan Chaseと7年間にわたる5億ドルのアウトソーシング契約を、自動車パーツメーカーVisteonと10年間にわたる2億ドルのアウトソーシング契約を結んだと発表した。
Sun Microsystemsも同様の企業向けインフラ戦略、N1構想を発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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