日本AMDは1月22日、2004年最初の記者会見を開催し、2003年の同社の軌跡や今年の戦略について説明した。米AMDでは20日に2003年第4四半期の決算が発表されたばかり。第3四半期と比較してすべての製品と地域で売上げ増となった同社は、第4四半期に4300万ドルの黒字を達成している。
2003年は、4月にOpteronプロセッサが発表されたことで、64ビットコンピューティングの幕開けと言える年だった。AMDはOpteronでサーバ市場に本格参入し、32ビットから64ビットへのシームレスな移行を提供している。日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏は、「他社が32ビットのサポートをせずに64ビットコンピューティングを推進したのとは違い、AMDでは32ビットをサポートしたうえで64ビットを推進している。つまり、64ビットコンピューティングへのドアを開けたのはI社ではなくAMDだ」と述べた。
AMDのPC向けプロセッサ、Athlonでも昨年9月に64ビット製品が登場した。同プロセッサを搭載したPCはすでにHPやPackard Bell、eMachinesなどから出荷されており、日本でも富士通が採用、「今後もさらに同プロセッサ搭載PCが増化する」(同社取締役、吉沢俊介氏)という。
2003年のAMDの動きとしてほかに重要となるのは、フラッシュメモリ分野で富士通との合弁会社を設立したり、National Semiconductorのインフォメーションアプライアンス事業の資産を買収したりしたことだ。事業買収で手に入れたGeodeで、AMDはx86製品をハンドヘルドデバイスに採用するなど、モバイル分野への取り組み強化を図った。
次世代PDAを披露する日本AMDの中島裕氏 | |
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2004年はモバイル分野をさらに強化するとしており、同社パーソナルコネクティビティソリューションズ本部長の中島裕氏は「これまでの性能を超えた次世代PDA製品が、未来の製品としてではなく、すでにデモレベルで披露できる段階にまで来ている」と述べる。同氏は、ビデオなど動画の閲覧が可能なPDAや、大きさはPDA程度という小型ながらもx86アーキテクチャでPCと同等の機能を持つ製品などができあがっていると紹介した。
サンとの提携でサーバ分野にも注力
日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏(左)と、サン・マイクロシステムズ代表取締役社長のダン・ミラー氏 | |
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11月のSun Microsystemsとの提携は、サーバ分野を強化したいAMDにとって大きな意味を持つものだ。OpteronサーバはすでにIBMやFujitsu-Siemensより製品化が発表されているが、Sunは来月にもOpteronベースのサーバを発表する予定で、今後Opteron向けのSolaris OSも提供するとしている。
サン・マイクロシステムズ代表取締役社長のダン・ミラー氏は、同社がこれまで提供してきた64ビットのSparcサーバとOpteronサーバとの住み分けについて、「価格、パフォーマンス、アプリケーションタイプなど、顧客によって必要とするものが違ってくる。これまでSunでは、ハイエンドサーバはSparcベースで、ローエンドサーバはインテルベースのものを提供してきた。Opteronベースのサーバで、32ビットコンピューティングから64ビットへとスムーズに移行したい顧客に対応できることに加え、Sunがうまくカバーできていなかったミッドレンジのサーバを提供できる」と述べた。
ミラー氏は、「今回の提携は個人的に(Sunのサーバ製品ラインナップ強化につながった)Cray ResearchのSparc/Solaris関連資産を買収した時と同等の意味を持つと感じている」と語り、AMDとの協業に対する意欲を見せた。
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