Cisco Systemsは、エンタープライズ向けイーサネットスイッチのトップベンダーだが、同社はいまこの技術を新興サービスプロバイダ市場にアピールするために、新製品の追加ならびにいくつかの機能追加を行おうとしている。
Ciscoは20日(米国時間)、Catalyst 3750、Cisco 7600ルータ、Catalyst 6500/4500イーサネットスイッチを製品ラインに追加すると発表した。個別にみれば、今回の機能追加や新製品の投入はさほど面白いものではない。だが全体として見た場合、サービスプロバイダのネットワークでイーサネット製品へのコミットメントを続けていこうとする同社の姿勢を明確にするものとなっている。
イーサネットは、企業ネットワーク内でユーザー同士を結ぶためのデファクトスタンダードとなっている。ほぼすべての企業で、イーサネットのインターフェイスを見かけることができるだろう。その結果、イーサネットにはさまざまな標準が確立されており、また製品も安い。現在、多くのサービスプロバイダは、SONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy)と呼ばれる技術を、メトロエリア(都市圏)内でのデータ転送に用いている。だが、この技術は音声データ転送用に開発されたもので、IPデータを効率的に転送することはできない。さらに、SONET/SDH機器はたいていのイーサネット用機器に比べ、非常に高価だ。
イーサネットの支持者は、キャリアでもSONET/SDHの代わりに、より低価格なイーサネット機器を使用することで、メトロエリアネットワーク(MAN)内の企業顧客を、さらに効率よく、しかも安価に接続できると主張している。
いまのところ、メトロイーサネットの拡大はゆっくりと進んでいる。だがアナリストは、今後数年内に、メトロイーサネットが勢いを増すと予測している。調査会社Infonetics Researchが発表した最近の調査によれば、2003〜2007年の間にMAN分野でのイーサネットに対する全世界での投資額は、240億ドル以上になるという。Infoneticsでは、イーサネットが、少なくとも向こう10年間は都市圏の資本支出の大きな部分を占め、2007年まで2桁成長を続けることになると考えている。
すでに企業向けイーサネット機器のトップメーカーであるCiscoにとって、この成長市場に取り組むためにメトロイーサ製品の拡大に取り組むことは、非常に理にかなっている。同社は過去数年間、メトロ市場向け製品の開発を続けてきた。
新製品のCatalyst 3750は、企業サイト向けの固定設定スイッチだ。最低構成価格が約6000ドルのこのスイッチは、イーサネット経由でキャリアのネットワークに接続している企業顧客に対して、VPN(Virtual Private Network)サービスを提供するよう設計されている。
Ciscoはまた、自社のCatalyst 4500スイッチで、virtual private LAN service (VPLS)という新たに登場してきた標準へのサポートを拡大した。VPLSは、企業が別々の場所にあるオフィスをつなぐ技術で、オフィス間を隔てる距離に関係なく、あたかも同じ場所にあるLANで結ばれているかのような状態を実現できる。Ciscoはすでに7600ルータと6500スイッチで、VPLS機能を提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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