Linuxの敵となっているSCO Groupは米国時間20日、Unixオペレーティングシステムが自社の管理下にあるとの不当な主張を行っているとして、ライバルのソフトウェアメーカーであるNovellを提訴した。
ユタ州ソルトレイクシティーの第3連邦地方裁判所に申し立てられた今回の訴訟は、Novellを名誉毀損で訴えており、またUnix関連のすべての著作権をSCOに譲渡し、Unixの所有権を主張する声明をすべて撤回するよう同社に要求する裁判所の命令を求めている。
SCOは昨年、SCOが管理するUnix OSのソースコードをLinuxに違法に組み込んだとして、IBMを相手取って30億ドルの賠償を求める訴訟を起こし、IT業界を驚かせた。Novellはその論争に早くから加わり、Unixの権利をSCOに売却した際にも、特定の著作権についてはまだ自社が保有していると主張した。
Novellは、先頃Linuxの販売で業界第2位のSuSE Linuxを買収するなど、Linuxに対する投資を拡大しているが、そうしたなかで両社はUnixの所有権を巡り衝突を繰り返してきている。
「SCOが本日このような行動に出たのは、Novellが先日からUnixの所有権とUnixWareの著作権を巡って、発表を繰り返しているためだ」と、SCOの弁護士Mark Heiseは声明の中で述べている。「SCOには、見込み客、投資家、そして報道関係者から、Novellの行動に関する多くの質問が寄せられている。UnixおよびUnixWareの著作権はSCOが所有しているが、これらの著作権の所有を主張しようとするNovellの行動が、今回の提訴を余儀なくさせた」(Heise)
Novellの広報担当はこの訴訟に関するコメントを控えているが、同社がUnixに対する立場について先の主張を変えることはないとしている。Novellは先に、米国著作権庁がSystem V Unixの11種類のバージョンに関する同社の著作権登録を認め、Novellに実質的な所有権を与えたと述べていた。
SCOは、提出した訴状のなかで、Unixに利害関係があるとの示唆を繰り返したNovellを「権利誹毀」で訴えている。その主張によると、「Novellは、UnixおよびUnixWareの著作権に関するSCOの独占所有権の全容を知りながら、SCOがUnixやUnixWareに関する貴重な著作権を保護しようとする動きを封じるための悪質な行動に出ている。UnixおよびUnixWareの著作権と所有権に対するNovellの理不尽な主張は、以前から現在に至るまでSCOに対して回復不能な損害を与え続けている」という。
今回の訴状では、不特定額の懲罰的損害賠償金のほか、Novellが取得したUnix関連の著作権をすべてSCOに譲渡し、Novellが「UnixとUnixWareの著作権に関し、公の場で所有権をめぐって利害を主張することを一切禁じる」強制命令を求めている。
Novellは1980年代にAT&TからUnixを買い取り、その後1995年に、少なくともその権利の一部をSCOの前身にあたる企業に売却した。Novellは、Unixに関する一部の権利や関連するコードの所有権がその後も自社にあると主張している。これに対して、SCOはUnixに関する全ての権利を購入したため、Novellに対して認められたUnix関連の著作権はいずれも無効だと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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