米Sun Microsystemsは、他社製データセンター機器を管理する計画の初期段階で、同社の「N1」ユーティリティコンピューティングソフトウェアを既存のシステム管理計画と連携させるメカニズムの開発に取り組んでいる。
Sunは、N1で管理するシステムの情報を他の技術プロバイダが共有できるようにする、N1ソフトウェアのソフトウェア開発キット(SDK)の開発に取り組んでいる。同社は1年〜1年半でこの開発キットを完成させたいと考えている、と同社のサービス部門最高技術責任者、Hal Sternは述べた。
SunのN1ソフトウェアは、ブレードサーバなど複数のマシンをプールして、さまざまなアプリケーションで共有できる単一のリソースとするもの。この「仮想化」機能はSunや米Hewlett-Packard(HP)、米IBM、米Veritas、米EMCなどの大手企業が進める、ユーティリティコンピューティング計画に共通する技術要素となっている。
仮想化は、企業がハードウェアへの投資からさらに多くのリターンを得られるようにするための技術だ。企業各社は、毎四半期末の決算報告作成プロセスやウェブサイトのトラフィック急増などによる、計算能力の需要急増に対応するべく、データセンターのリソースをどうプールし、割り当てるかについて、その方法に関するポリシーを定義できる。
SunのN1ソフトウェア開発キットの狙いは、同社の仮想化ソフトウェアを、企業がすでに採用しているハードウェアや管理ソフトウェアとより密接に連携させることだ、とSternは述べている。SunがN1へのアクセスポイントを公開することにより、サードパーティのシステム管理製品は、N1とシステムのパフォーマンス情報を共有できるようになる。またサードパーティ企業は、N1の仮想化およびリソース割り当てツールを利用するアドオンアプリケーションを作成できるようになる。
「我々は、N1をオペレーティングシステム(OS)として考えている。N1はバーチャルなデータセンターを構築するものだ。すべてのシステム管理製品は、N1と統合される必要がある」(Stern)
N1はまた、管理サービスやホストサービスなどのコンサルティングサービス収入の増加を図る、Sunの戦略上の重要な技術基盤でもある、とSternは語った。
N1などのユーティリティコンピューティング計画にとって、既存のシステム監視ソフトウェアと新しいデータセンター自動運営ツールとの連携は非常に重要だ、と米Illuminataの主任アナリスト、Jonathan Euniceは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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