サダム・フセイン元大統領拘束のニュースは米国の新聞社の大半が「朝刊の印刷を終えた後」に伝えられたため、米国民はニュースを読むためにインターネットにアクセスした。
フセイン元大統領の拘束が発表されたのは米国時間の12月14日早朝で、これは大手新聞各紙の14日付け朝刊の締め切りからわずか数時間後というタイミングだった。
ワシントン・ポスト紙の朝刊の一面には拘束のニュースが全くなかった。しかし同紙のインターネット版には、あるイラクの農家近くの穴の中でフセイン元大統領が拘束されたことを記者が詳細に伝える記事とビデオが掲載されていた。
米国最大の発行部数を誇る新聞の1つであるニューヨーク・タイムス紙の14日の朝刊も、このニュースには一切触れていなかった。しかし、同紙のインターネットサイトには「米軍、サダム・フセイン元大統領を拘束:『捕らえたぞ』とバグダッドで語るブレマー米文民行政官」とあった。
西海岸では、このニュースの発表からしばらく経過した太平洋標準時の午前8時4分に記者の家に配達されたサンフランシスコ・クロニクルも、フセイン元大統領の拘束については一切触れていなかった。ただ、同紙のウェブサイトには「サダム拘束」というタイトルのAP通信による速報が掲載されていた。
CNN、フォックス、ABCニュース、そしてMSNBCをはじめとするインターネットサイトはすべて、フセイン元大統領の拘束を詳細に伝えており、GoogleやYahooなどの統合ニュースサイトも報道していた。同14日には、これらサイトの一部へのアクセス速度が低下したが、これはトラフィックの急増や、ニュース情報源としてのインターネットの影響力拡大を示す新たな兆候の1つだと思われる。
若い世代の読者は、新聞ではなくインターネットを情報源としていることを認めている。
インターネットの競争激化から、新聞各紙、そしてその巨大な取材能力は、一段と独自色の強い記事をウェブサイトで公開するという、各紙がこれまで拒んできた手法を取らざるを得なくなっている。
ビジネスとして、新聞各紙は有料で配達する紙版とインターネット版が「互いに食い合う」ことを恐れてきた。さらに、記者や編集者も紙とインターネットの2つに仕事を増やすことを渋ってきた。
この週末も、新聞には同業のインターネットやテレビと足並みを揃える機会があった。ブッシュ大統領は、12月13日の午後にはフセイン元大統領拘束の可能性を伝えられていたが、14日の午前までこのニュースが外部に漏れることはなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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