米Advanced Micro Devices(AMD)は、中国IT市場でのさらなる成長を目指し、PC以外の分野での可能性に目を向けている。
同社は米国時間10日、中国に製品開発拠点を新設する計画を発表した。この施設は、中国の消費者市場に向けた新しいタイプの家電製品を開発するという。AMDは、中国のIT系巨大企業のFounder Groupと協力し、新たに「プラットフォーム開発ラボ(Platform Development Lab)」を北京に開設する予定だ。
多くのテクノロジー企業は、中国を巨大な潜在市場とみなしている。AMDは、中国国内でいくつかの提携関係を結び、スーパーコンピュータから教育関係にいたる幅広い市場にチップを販売している。
中国で自社のPC用プロセッサも販売しているAMDは、今回の研究施設の設立を、同社の顧客によるAMD AlchemyとAMD Geodeプロセッサに基づく新しい製品の開発、発売を支援する取組みの一環としてとらえている。それぞれ、MIPSとx86という2つの異なるプロセッサアーキテクチャに基づくこれらのチップは、一連の携帯端末、セットトップボックスや他の電子デバイスで利用できる。
「このラボでの活動を通じて、AMDとFounderは、人間中心のインタラクションとイノベーションを核として設計されたテクノロジーへの高まる要求に応えることができる。このラボは関連性、アクセシビリティとユーザビリティの観点から、ユーザーがコンピュータの利用体験に求めるものを中心としたソリューションを開発していく予定だ」と、AMDは声明のなかで述べている。
AMDによれば、Founderは技術的な専門知識やエンジニアリングスタッフを確保することでこの施設での活動に貢献し、一方AMDは同社のチップと、開発ツールや技術的サポートのような他のリソースを提供するという。
AMDは、8月に米National Semiconductorsのインターネット機器向けのチップビジネスを買収した際にGeodeチップを獲得しているが、同社ではセットトップボックスのような家電機器を含む、情報家電市場でこのチップを普及させるべく、いくつもの取り組みを行ってきているという。
AMDはまた、新しいクラスの廉価版プロセッサ開発も検討している。AMDの最高経営責任者(CEO)、Hector Ruizはこの夏に、Geodeに似ているが、さらに安く販売できる一連のチップ開発を検討していると述べていた。同氏によれば、これらのチップは低価格PCや新興市場向けの電子デバイスで使用されるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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