中国独自のWi-Fiセキュリティ仕様、国内11社が管理へ

 中国独自のワイヤレス暗号化標準を採用しようとする企業は、政府が指定した11社の中国企業から技術を購入しなければならなくなる。

 この11社には、PCメーカーのLegend Holdingsや通信機器メーカーのHuawei Technologiesなどが含まれている。

 中国は先頃、Wi-Fi(無線LAN)機器を同国に輸出・販売する全ての企業に対し、Wired Authentication and Privacy Infrastructure(WAPI)と呼ばれる暗号化技術の標準を用いなければならないという新しいポリシーを制定した。WAPIは、中国が独自開発した暗号化技術で、他の国や地域では使用されていない。このポリシーは2003年12月1日より有効となっている。

 Asian Wall Street Journal誌の伝えたところによると、外国のWi-Fi機器メーカーに、必要な暗号化技術の標準の購入に際しては、中国側のパートナー企業との連携を求めるというこの新ポリシーは、外国企業の間に多くの恐怖を生んでいるという。この恐れとは、知的資産の喪失から、でたらめな価格設定まで、広範囲にわたるという。

 外国企業は、中国側のパートナー企業が暗号化技術の組み込みに必要だと主張した場合、かなりの技術情報を明かさなければならなくなることを心配している。その後、これらの中国企業が自社の重要な知的財産にアクセスし、これを盗む可能性もあるからだ。

 それとは別に、中国企業が自社製品を先に市場に出すことを狙って、外国企業との技術共有をしぶることも考えられる。

 また、中国の暗号化技術に関する標準を所有しているのは自分たちだけであることから、この11社は技術情報提供に高い金額を要求してくることも有り得る。

 米大使館関係者は、これらの課題を中国政府や米国の機器メーカー、さらには他の国の政府関係者にも提起している。

 12月1日という期限は、 中国国内におけるさまざまな業界の標準管理を担当する国家標準化管理委員会(SAC)により定められた。WAPIのサポートは、Wi-Fi Protected Accessや802.11iなど、IEEE(米国電気電子通信学会)やWi-Fi Allianceといった業界団体が策定する、現行および次に登場するセキュリティ仕様には含まれていない。

 SACの告知によると、WAPIは、2.4GHz帯を用いるWi-Fi標準で併用されるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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