シスコシステムズは12月11日、企業内のサーバやPCなどのセキュリティを守るCisco Security Agent(CSA)を販売すると発表した。未知のウイルスやワームによる攻撃にも対応し、被害を防ぐ点が特徴という。
今回発表されたCSAは、米Cisco Systemsが今年4月に買収を完了したセキュリティソフトウェア企業、米Okenaの技術を活用する。Okenaはネットワークシステム間のデジタル通信で悪意のあるコードを検出するソフトウェアを手がけていた。CSAでは悪意のあるコードを識別し、被害を未然に防ぐという。
ブロードバンド環境が普及する中、企業は進化するウイルスやワームの脅威にさらされている。ウイルスやワームに対する防御方法としては、既知の攻撃パターンをまとめたシグネチャを利用するのが一般的だ。しかし最近では、SQL SlammerやBlasterのように被害が瞬時に世界中に広まるケースが増えており、シグニチャだけでなくウイルスなどの振る舞いを分析して、未知の攻撃にも対応できるようにする手法が注目されている。「CSAの導入によって、既存のアンチウイルスソフトの働きを補完できる」(シスコシステムズ マーケティング担当執行役員の山中理恵氏)
シスコシステムズ マーケティング担当執行役員の山中理恵氏 | |
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シスコシステムズでは今後、サーバやPCだけでなく、ルータやスイッチなどにもCSAを搭載していく予定という。これにより、ネットワーク全体のセキュリティを統合的に扱えるようになると山中氏は説明した。
シスコではまず12月1日より、コールセンター向け製品としてCSA for CallManager 1.1を販売する。IPテレフォニー製品にバンドルして提供するほか、既存顧客に対してはアップグレードキットも提供するという。その後、2004年第1四半期には英語OS対応版のサーバ、PC用CSAを販売する予定。サーバ向けのCisco Security Server Agentは1エージェント39万6000円から、PC向けのCisco Security Desktop Agentは100エージェントバンドル版が167万5000円からとなっている。日本語OS対応版と、ルータ製品向けCSAの販売は2004年第2四半期になる予定という。
シスコシステムズでは同日、安全性に欠けるPCやモバイル機器が企業ネットワークにアクセスするのを防ぐNetwork Admission Control(NAC)というプログラムを日本でも行うと発表した。この取り組みはすでに米国で11月に発表されているもので、2004年の中旬より、シスコのアクセス/ミッドレンジルータへ機能の実装が予定されているという。同プログラムの実施については、Network AssociatesやSymantec、Trend Microなどと協力して進めるとしている。
また、このNACプログラムの実施に先立ち、トレンドマイクロとトリップワイヤ・ジャパンと協業してセキュリティソリューションを提供することも発表された。各社の製品を組み合わせて危機の予防から障害時の復旧までをサポートする。また、各社製品をパッケージ化して提供することで、短期導入を可能にしたという。
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