「ユビキタス化が内需を牽引」:JEITA、2006年度までの産業用電子機器需要予測を発表

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年12月10日 21時31分

 電子情報技術産業協会(JEITA)は12月10日、産業用電子機器に関する2006年度までの需要予測を発表した。2003年度は外需の落ち込みにより3年連続の前年割れとなる見込みだが、中期的には安定的な成長が見込めるという。

 産業用電子機器全体の需要予測を見ると、2003年度の総需要は内需が前年同期比1.1%増とプラスに転じるものの、外需が9.9%減少することから、全体では1.2%減少の12兆895億円となるという。外需の落ち込みは海外へ生産がシフトしていることが主な要因だ。しかし海外シフトが一段落し、デジタルテレビや第3世代携帯電話(3G)の輸出が伸びることから、今後は外需も回復していくとJEITA産業用電子機器需要予測ワーキンググループ主査の新野哲二郎氏は解説する。また、国内需要も地上デジタル放送の開始や3Gの需要の本格化などにより、放送・通信・情報関連を中心に順調に成長していくと見られ、2002年度から2006年度の平均成長率は内需が3.0%、総需要も2.0%になる見込みという。

 国内の成長要因について新野氏は、「JEITAが予測している40品目のうち、成長率が5%以上になるものが13品目ある」と語る。その13品目とは、自動車・携帯電話、テレビ送信・中継機、防災行政無線、ITSやRFIDなどのその他無線応用、記憶装置、プリンタ、メモリカードなどのPCカード、ハンディターミナル、電子辞書などの電卓・パーソナル情報機器、複写機、波形測定器、無線通信測定器、半導体・IC測定器だ。これらに共通するキーワードとしてはデジタル放送や3G、デジタル家電、RFIDなどがあげられるといい、「ユビキタス化が内需を牽引している」(新野氏)と分析した。

JEITA産業用電子機器需要予測ワーキンググループ主査の新野哲二郎氏

2006年には3Gの加入率が60%に

 無線通信装置の分野を見ると、固定通信装置の分野では官公庁向けの需要が2003年度に底を打ち、今後年率10%程度の成長が見られるという。2003年度の総需要は1358億円だが、2006年度には1758億円になる見込みだ。これは衛星通信関連の大型プロジェクトが始まるためで、2007年に大型衛星が打ち上げられることから、1千数百億円規模の需要が生まれる見込みだと新野氏は説明した。

 移動通信装置の分野では、3Gサービスの立ち上がりと、さらなる高速・大容量化によって引き続き需要が伸びると見られる。JEITAでは年平均成長率5.4%で推移すると予測しており、2003年度の総需要額は2兆4722億円、2006年度には2兆7199億円になるという。携帯電話の加入動向については、NTTドコモとボーダフォンが採用する3G規格、W-CDMAへの移行が2004年度から急激に進み、2005年には国内出荷台数のうち半数以上が3Gになると予測する。2006年には3Gの加入率が60%になる見込みとした。

 PHSは、国内の需要が右肩下がりで推移するものの、中国の需要が盛んなため外需は好調に推移するという。PHSの内需が2003年度の445億円から2006年度には311億円と年平均8.9%減で縮小するのに対し、外需は2003年度の312億円から2006年度には375億円となり、同21.0%の高い伸びを示すと見られている。ただし中国でも中長期的には3Gと競合するため、市場はだんだん縮小していくと新野氏は予測した。

PCが順調な成長、数量ベースでは年平均7.8%の伸び

 コンピュータ及び情報端末の分野については、出荷数量の伸びが期待できるものの、価格性能比が向上していることから、金額ベースでは大きな伸びが見込めないという。総需要は2003年度が6兆258億円、2006年度には6兆6558億円と年平均1.0%の微増にとどまる見通しだ。

 コンピュータ本体に関しては、IT投資促進税制効果やオープンソースの採用が進むことなどから、今後はプラス成長になるという。2003年度の総需要は2兆8333億円と3年連続の前年割れになるが、その後は横這いから微増で推移し、2006年度には2兆9541億円になると予測されている。

 特にPCは今後企業のリース切れやWindowsサポート切れなどによるリプレース需要の顕在化と、シニア層や小中学生への普及、1人1台化の進展などに伴って、数量ベースで年平均7.8%、金額ベースで4.3%の成長が見られるとJEITAでは予測している。2003年度の内需は1兆6570億円、2006年度には1兆9120億円になるという。

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