プリンタやPCでも「使った分だけ」--米HPのユーティリティコンピューティング

 米Hewlett-Packard(HP)は、通常サーバ向けと考えられているユーティリティコンピューティングの概念を拡張し、この技術をプリンタやPCにも拡大する新しいハードウェアとソフトウェアを、4日(米国時間)にも発表する予定だ。

 これにより、HP Unix搭載のサーバを利用するユーザーは、処理能力の要求の変化に応じて自動的にプロセッサを追加・取り外しでき、しかもマシンパワーを使った分だけ料金を支払えばいいようになる。また、Itaniumプロセッサを搭載する新Integrity製品ラインのミッドレンジモデルのユーザーについても、同様のペイ・パー・ユーズ(使用量に応じた支払い)型の料金モデルを、2004年1月より利用できる。

 これまでのユーティリティコンピューティングと大きく違うのは、この概念のなかに、PCやプリンタまでが含まれる点だ。2004年第1四半期に、HPはいわゆる「ブレードPC」の販売を開始する予定だ。これは、1つのラック内に設置した何台ものマシンを、ネットワーク経由で利用者が共有するというタイプの新しいパソコンである。このシステムは管理が容易で、従業員がシフト制で勤務しているなどの場合でも、同じハードウェアを共有できるため、ひとりに1台ずつPCを購入しなくてもよくなると、HPでは説明している。

 ペイ・パー・ユーズというアイデアは、プリンタにも適用される。HPでは、レーザープリンタのトナーのような「消耗品」がどれだけ使われたかをモニターする計測技術を開発しており、この技術を使って、使用量を把握するという。この技術は、ユーザーが必要な消耗品を使いきってしまったり、あるいは余分な在庫を持たされるといった目に遭わなくても済むように設計されたものだという。

 HPは、これまで熱心に、ユーティリティコンピューティングに特定の製品やサービスを追加してきている。同社では「Adaptive Enterprise」と呼ぶユーティリティコンピューティングのアイデアが、わかりずらい戦略であることはHP自身でも認めているが、これは簡単に言うと作業負荷の変化に素早く対応できるコンピューティングシステムの構築に主眼を置いたものだ。同社は、競合関係にある米Sun MicrosystemsのN1や、米IBMのオンデマン関連の取り組みに対抗するだけでなく、社内にある複雑なコンピュータ機器類の運用コストを削減したいというユーザーの強い要求に直面している。

 HPは当初、高価だが有用なUtility Data Center製品で、ユーティリティコンピューティング分野をリードしていた。だが、2003年5月にThinkDynamicsを買収したIBMが、これを機に追い上げを図り、現在ではほぼ並んでいると、米Forrester ResearchのアナリストLaura Koetzleは説明する。「IBMとHPは、首ひとつの差で競り合っている状態だ。Sunは大きく水を開けられている」(Koetzle)

 Koetzleによると、IBMおよびHPのアドバンテージは、サービス部門の存在にあるという。こうした部門では、複雑になってしまった顧客のコンピューティング・インフラを解きほぐし、シンプルなものに変え、さらに自動化しようとしている。

 「『手持ちの機材は全部持って行ってくれ、そうすれば新たにすばらしいシステムを導入できるから』などという人間は、どこにもいない。サービス部門を持つベンダのほうが、顧客の社内に入り込み、複雑に絡み合ったインフラを機能させるのに必要な結合組織の役目を果たすソフトウェアを書ける可能性が高い」(Koetzle)

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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