米Sun Microsystemsは3日(米国時間)、同社初のLinuxブレードサーバを発売した。これにより、Sunとチップメーカーの米Advanced Micro Devices(AMD)との提携が一層強化されることになる。
Sunは、サーバ大手4社の1つであるものの、米Dell Computerや米Hewlett-Packard、米IBMからの熾烈な攻撃を受けている。同社は今年春に、自社のUltraSparc IIiプロセッサを搭載したブレードサーバを発売した。今回発売となったAMDベースのシステムは、IntelのXeonやAMDのAthlonなどのいわゆる「x86系」プロセッサを採用した、同社で初のブレードサーバとなる。x86システムへの移行により、Sunのブレードでは同社のSolarisオペレーティングシステム(OS)だけでなく、Linuxも稼動できるようになる。
今回発売されたAMDベースのシステム「B100x」は、2GBのメモリと1.53GHzのMobile Athlon XP 1800プロセッサを搭載したモデルで、価格は1799ドル。数カ月遅れの発売となったが、現在は入手可能になっている。このブレードサーバは、Sunがいまドイツ・ベルリンで開催中の、各四半期に一度の戦略会議で発表された数多くの製品の1つだ。
Sunは、Intelを共通のライバルとするAMDとの提携関係を強化している。Sunの計画では、2004年始めにAMDのハイエンドプロセッサOpteronを搭載したシステムが発売になる。Opteronチップは、Intelのx86製品とは異なり、大量のメモリを扱える64ビット機能を備えている。
Sunのソフトウェア部門エグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartはインタビューのなかで、Opteron向けに書き直したSunのSolaris OSが2004年7月1日までにリリースされることを明かした。そして2004年には、Opteronベースのワークステーションも発売すると、SunのCCO(Chief Competitive Officer)、Larry Singerは述べている。
ブレードサーバは戦略的に重要な製品だ。調査会社の米IDCでは、2007年に出荷される全サーバのうち、20%がブレードになると予想している。今年第3四半期の全サーバ市場の規模は108億ドルで、そのうちブレードが占める割合は1億6400万ドルとまだ小さいものの、第2四半期の1億1800万ドルより増加していると、IDCのアナリストJean Bozmanは言う。
「市場が整うにはまだしばらく時間がかかるが、しかしすでに戦いは始まっている。ブレード市場で強い立場に立つことが、非常に重要となってくるだろう」(Bozman)
Bozmanの話では、IBMとHPはで現在ブレード製品が「非常に好調」だが、ブレード製品の登場が予想より遅れていることから、Sunにも充分チャンスはあるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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