ベンチャーキャピタルによる起業家コンテストの結末

 ベンチャーキャピタリストのTim Draperは、投資案件を探していつも鵜の目鷹の目だが、最近新しい投資のアプローチを採用したところ、それが驚くべき結果を生み出した。

 米Draper Fisher JurvetsonのマネージングディレクターであるDraperは、起業家コンテストを開催し、起業家たちに「ビリオンダラー・アイデア」を売り込ませるチャンスを与えた。DraperのBlog、AlwaysOn上でアイデアを提出した起業家は110人以上にのぼり、今月初め、この中から10名が選出された。そして先週、この10名の起業家はそれぞれ、Draperと1対1で10分間のビデオ会議の機会を与えられた。

 「驚いたね。いつもと違った午後になるだろう、ぐらいにしか思っていなかったが、さらに詳細に見る案件を5件も得られた」とDraper。Draperは、検討に値するアイデアが1件以上見つかったこのコンテストの結果に驚いているという。

 Draperはカリフォルニア州レッドウットシティにある自分のオフィスで、候補者たちのプレゼンテーションを聞いた。そして、そのうちの5名の起業家に対し、パートナーとのレビュー用として、ビジネスプランを紙に書いたものを提出するよう求めた。

 この集団オーディション的アプローチは、ベンチャーキャピタリストの間では珍しいものだ。だが、この方法は、起業家には案件に投資する投資家に直接アクセスできる機会を与え、またDraperにはデスクを離れることなく、世界中から集まったビジネスプランのレビューを行うことを可能にした。

 カナダのInnerSellという会社の創業者であるCraig Eliasは、Draperが大きな関心を示したアイデアを出した。InnerSellは、オンラインのセールス先紹介エージェントを会員として集めている。このエージェントは、同社のサービスに契約しているサプライヤ企業に、セールス先の窓口を紹介している。たとえば、あるエージェントの顧客企業が製品やサービスを潜在顧客に提供できない場合、このセールスエージェントはInnerSellのリストに掲載された他のベンダーを潜在顧客に紹介することができる。そしてうまく取引がまとまると、InnerSellはベンダーのコミッションの30%を徴収し、残り70%がエージェントの取り分となる。

 「これは、ソーシャルネットワーキングとは異なる。友人などにセールスのヒントを与えても、ヒントを与えた人は何の利益も得られない。だが、InnerSellなら、このヒントがお金に代わる可能性がある」とEliasは説明する。

 Draperの関心を引いたもう1つの企業が、カナダのベンチャー企業、OnMarkだ。米ASG Software Solutionsの製品部門を買収した同社は、検索結果をカテゴリ別リストとして表示する方法を開発している。同社創業者のKyle Petersonによると、たとえば、チャートのような外観の同社表示技術を利用した場合、サンフランシスコ地域の高級車販売代理店の表示とともに、同じ区域にある車の修理会社や車の部品店のリストも表示される、といったことが実現するという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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