米Friendsterの出資者でもある2人のライバルが、大きな発展の可能性を持つ同社の勢いに危機感を覚え、今後発展していく出会い系ネットワーク市場での戦いの鍵を握るとされる、貴重な特許の買い取りに共同で乗り出した。
Friendsterとこれに似通った2つの出会い系ウェブサイトを運営する企業の幹部同士は、一般には友人だと思われている。米LinkedInのReid Hoffman、米Tribe.netのMarc Pincus、そしてFriendsterのJonathan Abramsというこの3人は、全員がFriendsterに初期投資を行った。だが、その後3人は、各社が直接競合することなく専門化できる市場規模があると考え、それぞれ独自のネットワーキングサイトを立ち上げた。
Friendsterは、友人の紹介で出会い、交際できるような、純粋に社交の場となるサイトになるはずだった。いっぽうLinkedInは、米国時間12日に、米Sequoia Capital主導によるSeries A段階の470万ドルの資金調達を発表するとみられているが、人脈づくりと仕事捜しを目的としたビジネスマンをターゲットとしている。そして、Tribe.netのほうは、新聞の3行広告に相当するものと、個人的なネットワークづくりの統合を目指している。
だが、これらの新興企業がベンチャーキャピタルの資金と影響を受け始めたことで、これまで友好的だった3人の関係は、険悪なものに変わり始めてしまった。
Friendsterが、米Benchmark Capitalおよび米Kleiner Perkins Caufield and Byers(KPCB)のリードで、1300万ドルのSeries Dの資金調達を行う計画についての詳細をまとめている間に、PincusとHoffmanのほうは、Abrams抜きで合資会社を設立し、いわゆる「Six Degrees」と呼ばれるものに関する特許を70万ドルで購入しようとしている。
Hoffmanはインタビューの中で、「Jonathanは恋愛系、そして私は専門職系に特化しているので、彼とはとても良い関係にある。しかしFriendsterの新しい出資者が、これを金のなるネットワーキングサイトにできると考える可能性がある。KleinerやBenchmarkはかなりの大企業にしか投資しないVCであり、彼らにとって出会い系のサービスはあまり面白みのあるものでないのは確かだ」と語っている。
Hoffmanによると、出会い系の市場は収益性が高いが、企業のリクルート市場ほどではないという。Hoffmanは米PayPalの元幹部で、PayPalが米eBayによって買収された後、LinkedInを設立した。Friendsterは、いち早くたくさんのユーザーを集め、自社のブランドを確立したことで、他のサイトに大きく水をあけているが、これに対しHofmannは「潜在利益の大きさでは、オンラインでのリクルーティングが勝る」としている。
Abramsは、Six Degree特許についての質問に答えていない。また、Benchmark CapitalおよびKleiner Perkinsの両VCとも、問い合わせの電話に対して、返事を寄越していない。
Six Degree特許は、ネットワーク(人脈)づくりのためのデータベースやシステムを構築する方法およびその手段で、元の所有者であった米YouthStream Media Networksの手で、9月23日にオークションにかけられ、関連する知的財産やソフトウェアと共に売却された。
この特許は、もともとSix Degrees of Separationsという出会い系サイトに認められていたものだが、このサイトは現在のブームが起こる数年前に登場し、その後消えていった。そして、同サイトが廃業した際に、YouthStream Media Networksがこの特許を買い取っていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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