米インテル、Wi-Fiチップ開発を拡大へ

 チップメーカーの米Intelが、ノートPC市場以外への影響拡大を目指して、新しいWi-Fi製品の開発を進めている。

 同社社長のPaul Otelliniは米国時間20日、金融アナリストとの会合のなかで、ソフトウェアベースのアクセスポイントやポータブルデバイス向けの低消費電力Wi-Fiチップなど、新しいWi-Fi製品の開発を進めていることを明らかにした。

 Otelliniによると、IntelはWi-Fiチップの出荷数では市場で首位に立っているが、ワイヤレス市場における自社の影響拡大を目指して、新分野へ進出するという。同社では新型チップや内蔵型PCアクセスポイントの計画以外にも、CentrinoノートPC用に設計されたワイヤレスモジュールを、家電メーカーなど他社に販売することも検討していることを明らかにした。

 同社では、これまで社内開発したWi-Fiチップの発売が遅れていたが、新チップはWi-Fi市場での影響力拡大をねらう同社の意図を示すものになりそうだ。

 Otelliniによると、Grantsdaleというコード名で、来年前半に出荷が予定される次期デスクトッププロセッサ用チップセットには、ソフトウェアベースのワイヤレスアクセスポイントが搭載されるという。Grantsdaleは、同社からまもなく登場するデスクトップ向けプロセッサ「Prescott」(コード名)と一緒に使用することになる。

 Otelliniによると、ソフトウェアベースの同アクセスポイント機能は、「デスクトップPCを家庭内のアクセスポイントのように動作させるもの」だという。この機能にはデスクトップPC用の送受信装置が必要になる。

 この機能が登場してくれば、ホームネットワークを構築する際にコンシューマーがローエンドの802.11bアクセスポイントを購入する必要がなくなる。内蔵のアクセスポイントを使ってワイヤレスネットワークを作成し、家電製品をネットワークに接続できるようになるからだ。もっとは初めは、この機能が低価格PCに搭載される可能性は低い。

 Intelはさらに、PDA(個人情報端末)や携帯電話に組み込める「超低消費電力」802.11チップを、2004年に投入することも明らかにした。

 チップメーカーの米Atheros、米Broadcom、そして蘭Royal Philips Electronicsの各社も携帯電話などのポータブルデバイス向けWi-Fiチップの開発を進めている。これらの新チップは既存の802.11b製品よりも小型で電力効率が高くなるはずで、ノートPCよりもバッテリ容量の小さいポータブルデバイスに一段と適したものになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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