盗聴防止機能を搭載した携帯電話、CryptoPhoneが欧州でデビュー

 ドイツのある企業が、盗聴防止機能を搭載した携帯電話の開発に成功したと発表した。

 ベルリンを拠点とする企業GSMKの一部門であるCryptoPhoneによると、同社のEncrypted GSM(Global System for Mobile Communication)携帯電話は、欧州市場向けモデルが2270ドル(1900ユーロ)ですでに発売されており、また米国向けのものは今年末までには出荷されるという。安全に会話するためには、2台CryptoPhoneが必要になる。

 「携帯通信の暗号化技術で信頼に足る選択肢は、現時点ではこれしかない」と、CryptoPhoneのGSM技術ディレクター、Frank Riegerは、11月18日(現地時間)に行われたインタビューの中で述べた。

 蘭SiemensのTopSec GSMフォンや米Motorolaのフリップ型携帯電話用のCipher TACモジュールなど、他の企業も暗号化機能を搭載した携帯電話を開発している。 しかし、CryptoPhoneは他製品と比べて安価であり、また暗号化ソフトウェアの完全なソースコードを公開することで、偶発的なバグや意図的に設けたバックドアがないかを第三者がチェックできるという点で、この携帯電話は他に例がないものだ。暗号化にはAES256とTwofishという、現時点で最強といわれる2つのアルゴリズムが採用されている。

 GSM通信の傍受は、国によるが、ほとんどの場合違法である。しかし、通話の盗聴や解読を行う装置は、いとも簡単に利用できてしまう。GSMの盗聴機器は、自動検出、解読、会話の記録、さらには携帯使用者の携帯番号やランダムなGSM携帯通信も対象である。GSM標準には、暗号化機能の限定版が含まれているが、最近になりイスラエルの研究者がその中に欠陥を発見している。

 「これはもう絵に描いた餅ではない」とRieger。「これは、どの私立探偵でも隠し持っていそうなものだ」

CryptoPhoneのウェブサイトでは、国家安全保障局(National Security Agency)による盗聴の可能性を示唆するとともに、「連邦法執行機関が過去数年間に、ますます機能を強化しながら、しかもこうした機器に対する利用の制限を減らしてきていると警告している。ロサンゼルス警察(LAPD)は1998年に、法律を犯して数百の電話回線に盗聴を仕掛けていたところを発見されている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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