ネットワーキング機器大手の米Cisco Systemsが、多くのウェブブラウザで利用されている暗号化技術、Secure Sockets Layer(SSL)を使ったVirtual Private Networking(VPN)製品を発売する予定だ。
Ciscoは、SSLネットワーク機能を追加したCisco VPN 3000 Concentratorのアップグレード版の発売を発表する予定であることを認めた。
このニュースは、Ciscoのウェブサイト上で短期間発表されていたが、同社はその後これを削除した。このWebVPN機能は、VPNの中央接続ポイントの役割を果たすコンセントレータの基本構成の一部として提供される。
従来のVPNでは、在宅勤務者や遠隔オフィスと企業のメインネットワークとの安全な通信を確保するため、Internet protocol security(IPSec)と呼ばれる技術が使われていた。しかしこの方法では、在宅勤務者が各自のパソコンに専用ソフトをインストールしておく必要がある。これに対し、SSLベースのVPNでは、主要なインターネットブラウザにあらかじめ組み込まれているソフトを利用できるため、企業は全ユーザーに新ソフトを導入させるという管理上の手間が省ける。
CiscoのVPN技術担当マネジャーのScott PopeはCNET News.comのインタービューに対し、「(SSL機能の追加によって)当社製品のリモートアクセス機能が拡大する」と述べ、さらに「(VPNとSSLの)両方を同じコンピュータに組み込む意義は大きい」と語った。
Popeはこの2種類のセキュアアクセスで、特定の種類のユーザーに対応できると見ている。
「IPSecユーザーが長時間接続するパワーユーザーなのに対し、SSLユーザーはたまにしか接続しない」とPopeは語る。「IPSecを使用することにより、ユーザーはまるで企業ネットワーク上にいるような感覚で作業を行える。これに対し、SSL VPNは若干異なり、特定のアプリケーションにアクセスしたいユーザー向けである」(Pope)。
SSLベースのVPNは、最近のウェブブラウザ以外のソフトは不要で、しかもWindows、Mac OS、Linuxなど様々なOSからアクセス可能だ。
自社製品にブラウザベースの企業VPNへのアクセスを追加したネットワーキング企業は、Ciscoが初めてではない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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