米Hewlett-Packard(HP)は、複数ある管理ツールを「Nimbus」というコードネームを持つ単一の製品に統合しようとしている。この動きは、同社の進めるユーティリティコンピューティングの取り組みだけでなく、米IntelのItaniumプロセッサに依存する同社の戦略をも強化する可能性がある。
同社がCNET News.comに行ったプレゼンテーションによると、Nimbusは、Windows、Linux、HP版のUnixであるHP-UXが動くシステムを管理するための、統一された方法を提供するもの。このソフトウェアは2003年末までに登場の予定で、HPと旧Compaq Computerの2社が開発したコンポーネントが含まれている。
複数のOSを管理することは、HPにとって重要だ。同社のItaniumサーバではWindows、Linux、HP-UXが同時に動くことになっており、すなわち同社では複数の異なるコンピュータを設計しなくてもよいからだ。さらに、異なるシステム間の違いを目立たなくすることで、アダプティブ・エンタープライズというHPのユーティリティコンピューティングの、より複雑な管理ソフトを重ねることも容易にできる可能性がある。
同社エンタープライズシステムグループのエグゼクティブバイスプレジデント、Peter Blackmoreは11日に、Adaptive Managementのコンポーネントを使った開発について話をする予定だが、この際にNimbusを取り上げ、そのビジョンについて更に幅広く説明を行うことになりそうだ。
異なるOSを扱う際の管理にまつわる頭痛のタネを軽減することで、HPは「自社での開発にかかるコストではなく、実際の顧客にメリットを与えるもの」を提供するという目標に一歩近づけると、米Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは述べている。
顧客が今日直面している最大の負担は、サーバの管理、およびあるサーバから別のサーバへの移行にかかるものであり、HPはこれを削減する手段としてNimbusに大きな期待を抱いている。HPでは、同社のPA-RISCプロセッサを搭載したUnixマシンを利用している顧客を、Itanium搭載のIntegrityサーバ製品に乗り換えさせようとしており、このため同社にとってサーバの移行コストは大きな懸案事項となっている。
同社でインダストリースタンダード・サーバマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるPaul Millerによると、「Nimbusは、HPの顧客に対するアプローチのやり方を再定義するアーキテクチャの1つになる」という。複数のOSを管理できるソフトウェアにより、現在Itaniumの採用を遅らせている問題が、「突如として、もはや障害ではなくなる」とMillerは述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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