独SuSEは、Openexchange Serverソフトウェアのアップデート版をリリースした。米MicrosoftのExchange Serverをしのぐ電子メール/スケジューリング製品を目指し、機能の充実が図られている。
調査会社の米IDCによると、SuSEは米Red Hatに次いで第2位につけるLinuxディストリビュータだが、そのSuSEにとって、Openexchange Serverは、Microsoftと競合する上での重要なツールである。このソフトウェアは、MS Exchangeのサーバ側の代役を果たせるものだが、ただしクライアントソフトにMicrosoft Outlookを使用している場合は、Openexchange用に特別なプラグインが必要となる。
新バージョンのOpenexchange 4.1では、これまで顧客からよく苦情を寄せられていた部分に修正が加えられている。従来は、サーバ側に届いていた新着メールを、ユーザーのほうから取りに行かなければならなかったが、新バージョンではそれが自動的にクライアント側のパソコンに送られるようになったと、SuSEの南北米担当事業部門のゼネラルマネジャー、Holger Dyroffは語った。
この改良は、新たな内部接続技術を採用したことで実現したものだ。そのおかげで、プロジェクト管理用ソフトや顧客管理(CRM)ソフトなど、他のプログラムもOpenexchange Serverと連動できるようになったと、Dyroffは説明している。
同氏によると、Openexchangeの顧客の約70%は、同製品をMicrosoft Exchangeの代わりに利用しているという。重機メーカーの米Caterpillarも、約800のOutlookクライアント用にOpenexchangeを採用している。Caterpillarは2003年半ばに、Exchange 5.5からOpenexchange Serverに移行した、とDyroffは言う。
顧客はソフトウェアを段階的に切り替えるケースが多い、とDyroffは話す。「Exchange 5.5などの電子メールサーバから移行する顧客の多くは、サーバとクライアントの両方を同時に移行するのを嫌がり、まずサーバの移行を済ませてから、クライアント用ソフトの切り替えに移る」(Dyroff)
しかし、Microsoftのほうは、やはり自社の製品には金を払うだけのメリットがあると考えている。同社最新版となるExchange 2003には、SuSEの製品に比べると「より優れた特徴、機能、使いやすさ、全体的なビジネスバリューがある」とMicrosoftは声明を出している。
SuSEのソフトウェア製品は、Linuxオペレーティングシステム(OS)など、ほとんどがオープンソースのものだが、同社ではオープンソースと競合するプロプライエタリなソフトウェアの手法を堂々と採用している。Dyroffの話では、Openexchangeの大半の部分がオープンソースだが、サーバに同時にアクセスするパソコンの数を管理する部分には、プロプライエタリなコードがあるという。
Openexchangeの価格は、同時に接続できるクライアント数が10のバージョンで1240ドルとなっており、追加のクライアントライセンスは1ユーザーあたり30〜50ドルだ。非営利および教育機関には割引があるという。平均的な利用の場合、4プロセッサのサーバなら約2500〜3000人のユーザーを処理できる、とDyroffは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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