米Microsoftによると、同社の稼ぎ頭であるOfficeの新バージョンが、パートナー企業にも思いがけない利益をもたらす可能性があるという。
Microsoftは、Office Systemの発売開始に向けた販促メッセージの一部で、パートナー企業へのメリットを大々的に宣伝している。
今回のOfficeに追加された重要な変更点のいくつかは、XML(Extensible Markup Language)の採用に関するものだ。XMLは、コンピュータ間のデータ交換標準として普及の一途をたどっている。XMLによって、企業がウェブサービスをOfficeアプリケーションに統合し、Officeドキュメントと企業のコンピューティングリソースの間のやりとりを簡単にすることが期待されている。
700社以上のパートナーが、Officeアプリケーションに統合可能なアドオンソフトやサービスを提供する準備ができており、またMicrosoft自体もこうした製品を何百も開発中だと述べている。
「XMLの採用は、さまざま面でパートナー企業に大きなビジネスチャンスを提供する」と、同社Office部門バイスプレジデントのKurt DelBeneは話している。Microsoftは、パートナー各社がOffice関連製品を提供jできるようにすることで、企業やコンシューマが新しいソフトウェアにアップグレードするための理由がさらに増えると期待している。
SAPのような評価の定まった大手ソフトウェアメーカーから、米国郵政公社のような技術系の新規参入者まで、さまざまな企業が新Office向けのサービスを提供する。
ScanSoftからの新しいソリューション
マサチューセッツ州ピーボディーを本拠とするScanSoftは、光学文字認識(OCR)技術を専門とするソフトウェアメーカーだが、Office Systemに統合する2つの製品を提供する。
OmniFormは、紙ベースの書式を対話型のオンラインフォームに変換するための定評のある製品だ。ScanSoftは、新生のe-フォーム市場へのMicrosoftの新規参入となるInfoPathに、このアプリケーションを接続することに取り組んだ。
また、ScanSoftは、Office 2003のWordにも力を入れている。同社のPDF Converterは、Word用のアドオンで、Adobe SystemsのPDF(Portable Document Format)で保存された文書から情報を抽出し、編集や処理が可能なWordドキュメントとして保存するものだ。PDFは、文書の電子配布用に広く使われているが、セキュリティ機能によって、テキストのコピーやペーストなど、ワープロでよく行う作業が受信者側ではできないようになっている。
信頼できる(電子形式の)消印
米国郵政公社も、「Electronic Postmark」(「電子消印」)製品で、Wordの力を借りようとしている。この製品は、信頼できるタイムスタンプおよび認証コードを使って、電子文書が改ざんされていないことを証明するものだ。ユーザーはOffice用のプラグインをダウンロードし、こうしたセキュリティ用コードを自らの作成した文書に埋め込んでおくと、ウェブサービスがそれを証明する仕組みとなっている。
郵政公社のニュービジネスオペレーション担当マネージャ、Bob Krauseは、ニューヨークのAuthentiDateが開発したこの新サービスを広く普及させるためには、Wordとの統合が必要不可欠と話している。
Microsoftは他のパートナー企業とも提携し、Officeの普及に拍車を掛けようとしている。今月には、Amazon.comのサービスをOfficeアプリケーションのなかから利用できるようリンクを追加すると発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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