米Microsoftや米Adobe Systemsをはじめとするソフトウェアメーカー各社は、電子業務の簡素化という同じ目標に向かい、それぞれ独自にプロジェクトを進めている。
これらの企業は、ウェブの主導的立場にある標準化団体とともに、業務データの収集と流れの合理化を狙った新しい電子フォーム構想を立ち上げようとしている。
各社は、この市場の潜在的な収益性の高さに惹かれて、大挙して市場に参入しつつある。アナリストの試算によると、現在ローン申込書や発注書といった紙ベースのデータを自社のコンピュータシステム用にデジタルに変換するために、米国企業だけでも最大150億ドルを費やしているという。ソフトウェアメーカー各社では、企業各社にみられるこうしたコスト削減への欲求をあてにしている。
業務データ用の共通言語としてXML(eXtensible Markup Language)の採用が進んだことから、ソフトウェア企業各社は電子フォームに関心を寄せている。データを電子的に収集することは問題の一面でしかなく、必要とする部署にこれを容易に転送できるようにするという問題が残っている。XMLベースのフォームは、社内データベースや顧客リレーション管理(CRM)といった各種バックエンドシステムと自動的にデータをやりとりできるよう設計されている。
この動きに便乗する比較的規模の小さい企業の1つ、Cardiff SoftwareのCEO(最高経営責任者)、Dennis Clerkeは、「MicrosoftとAdobeが電子フォーム分野に大きな関心を集めたと思う」と語った。
Microsoftは同社の新製品InfoPathを今月終わりにリリースし、これから発展していく電子フォーム市場での顧客争奪戦に一段と力を入れようとしている。同製品は、広く普及した同社の生産性ソフトウェアを中心に展開されるOffice Systemアプリケーションファミリーの中の重要なアプリケーション。
InfoPathは、主に社員が社内業務処理に利用する見込みだが、Adobeの方はローン希望者やオンライン買い物客といった不特定多数の人々を対象にする。同社の電子フォームアプローチは、これらの人々に適した使い易い電子フォームの作成や処理の基盤として、広く普及した同社のポータブルドキュメントフォーマット(PDF)を採用し、一層の顧客拡大を目指す。
一方で、多数の小規模企業は、先日W3Cで最終決定したばかりのXForms仕様をはじめとする各種XMLベースの電子フォームパッケージを投入し、両社の間に割って入ろうと考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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