モバイル機器を水力ポンプで充電--科学者らが新発電技術を発表

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 カナダの科学者らが小型デバイス用の水力発電方法を開発した。将来、水力発電で動く電卓や携帯電話といった製品が誕生する可能性がある。

 この技術は、非常に小さなスケールにおける液体と固体の相互作用を利用したもの。固体表面はわずかにマイナスの電荷を帯び、液体内の正の電荷を帯びたイオンを引きつけ、マイナスの電荷を帯びたイオンを斥ける。このプロセスによって、電気2重層(EDL)と呼ばれる、電荷を帯びた薄い液体層が生まれる。この層の厚さは、数ナノメートルから数マイクロメートルまでさまざまだ。

 アルバータ大学のDaniel Kwok教授とLarry Kostiuk教授は、EDLと大きさがほぼ等しい経路を作ってその経路に液体を流し、下方向への電荷の流れを作り出した。固体表面に斥けられたイオンは、表面に引き寄せられたイオンよりも高速に移動するので、電流が生まれ、固体が絶縁体の場合この経路の中で電圧の差が生じる。

 1つの経路で生成される電力は非常に小さい--30cmの水柱で1〜2マイクロアンペア(1アンペアの100分の1)ほどしか生成されない。しかし数百万の経路を平行に配置すれば、携帯電話や電卓といった小型電子機器を動かせるだけの出力電力が得られるだろう、と見積もっている。

 このシステムでは、経路内の液体に圧力を加える入力エネルギーが必要だ。この方式を採用したモバイル機器には、コンセントを挿す充電は不要だが、ポンプが必要になる。

 「電子デバイス、マイクロ電子デバイス分野での応用は、非常に刺激的だ」とKostiukは言う。「この技術によって、携帯電話や電卓などのデバイスは、水を高圧でポンプ注入すると充電できる、新たな電源を得られるだろう。これまでに我々は、マイクロチャンネルを流れる液体から直接電力を発生できることを示すところまで達成した」(Kostiuk)

 この研究は最近、英国物理学会が発行する「Journal of Micromechanics and Microengineering」誌に掲載された。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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