米VeriSignは、現在一時停止している問題のドメイン名リダイレクトサービスの批判者たちに対し、インターネット監督機関には同社にサービスを強制的に停止させる権限はない、との反論を行った。
Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)から一連の法的圧力を受けた末、VeriSignは先週、ウェブ上から同サービスを除去し、エラーメッセージが表示される従来のシステムに戻した。しかし、同社幹部は6日(米国時間)に行われた記者会見の中で、「常に同じやり方で物事を処理する幾人かの人々の先入観や偏見」に対し、抵抗していく姿勢を示した。
VeriSign でドメイン名担当部門を監督するエグゼクティブバイスプレジデント、Russell Lewisは、「インターネットがこれほど広まったのは、とてもオープンで、新しいことを試してみるよう皆に奨励していたからだ」と述べ、さらに「しかし、重要なインフラにおいては、実はそうではなかった。我々が問題視しているのはまさにその点だ」と語った。
現在続いている論争は、ドメイン名システムの潜在的価値、および、同システムと他の基礎的ネットインフラをどのように管理し規制すべきかについて見解が激しく対立していることを示す、ここ数年で最も明確な例証の1つといえる。
VeriSignはここ数年、.comドメインに英語以外の言語の文字を使えるようにするといったドメイン名システム強化の"官僚的かつ無駄な"遅延に対して、苛立ちを感じていた。アドレスを誤って入力したユーザーを検索ページに導き、そこで彼らが意図したと思われる複数のドメインなどを表示するSiteFinderは、まさに消費者のためになる強化策だ、と同社は主張している。
しかし、ICANN、Internet Architecture Board、Internet Societyなどの団体や、長年のネットプログラマーたちは、VeriSignの導入したリダイレクトサービスについて、.com をはじめとするドメイン名に対する同社の管理権の濫用に当たる、と批判している。
VeriSignは6日の記者会見で、同サービスの及ぼした技術的な影響を調べるため、インターネットの専門家たちで構成される調査委員会を設けると発表した。同社幹部は、実際に技術的問題が発生した規模は、報告されていたより遥かに小さかったと述べ、さらに同社のデータによって実際の影響は最小限だったことが証明されるだろう、と語った。
Lewisは、同社はSiteFinderのような新しいサービスで利益を出す必要があり、さもなければインターネットの重要なインフラを守ることはできない、と述べた。また、リダイレクトサービスは、ICANNによる適切な再審査の対象となる(ドメイン)登録サービスとは別のものだ、と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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