米Hewlett-Packard(HP)は、ライバルである米Sun MicrosystemsのSolaris OSユーザーに対し、LinuxベースのHPのシステムに移行させる奨励策として、約2万5000ドルに相当するサービスや機器を無償で提供すると発表した。
HPは3日(米国時間)、「Linux Lifeline」と銘打った最新のプロモーションを発表し、SunのUnixバージョンであるSolarisのユーザーに、HPのLinuxべースのアーキテクチャへの移行を真剣に検討してもらえるようにすると述べた。このパッケージには、システム評価、アプリケーションのポーティング、データ移行など約2万5000ドル相当のサービスなどが含まれている。
「ターゲットは、SunのSolarisというプロプライエタリなUnixシステムで行き詰まりを感じているユーザーで、このプロモーションでは彼らにオープンなシステムへ移行するチャンスを提供する」と、HPのエンタープライズマーケティングプログラム担当バイスプレジデントのMarc Jourlaitは述べている。「我々がこの問題に取り組むのは、それが多くのCIOやIT責任者にとって最も関心の高い問題であり、また彼らを悩ます最大の頭痛の種のひとつであると認識しているからだ」(Jourlait)
Sunは、HPが旧Compaq Computerの買収で獲得したUnixソフトウェア、Tru64のユーザーにアプローチすることを狙って、今年「HP Away」というプログラムを発表しており、Sunの幹部は今回のHPのLinux Lifelongについて、自社のプログラムに対するHPの対抗策以上のものではないと述べている。Sunのプログラムでは、HPから自社への移行を望む顧客に対し、下取りや2週間の無償コンサルティング、最大90日間の支払い延期サービスを提供している。Sunの上級バイスプレジデント、Larry Singerによると、これまでHP Awayを利用した顧客は約40件に上るという。
「Linux分野において、HPがわれわれの脅威となるとは思っていない。Sunはすでに、Linuxへの移行を考慮している顧客に、最も低コストの選択肢を提供している」とSingerは述べている。
具体的には、HPの移行プログラムは、資格を有するSunの顧客に対して、最大3つのアプリケーションに関して、ポーティングと移行に必要な作業の評価を行う。また、1つのアプリケーションを無償でポーティングし、さらにHPのProLiantサーバを最長30日まで無償貸与し、さらにSAN(Storage Area Network)の評価も行う。同プログラムは、当面北米地域の顧客に対して提供され、その後欧州やアジア太平洋地域にも拡大する予定。同プログラムは、年末まで提供されることになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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