米Sun Microsystemsは米国時間18日、IBMとSCO Groupとのライセンス論争に焦点を当て、IBMの顧客に向けてSunプラットフォームへの切り替え行を促す広告キャンペーンをはじめた。
The Wall Street JournalとThe San Jose Mercury Newsの両紙に掲載されたSunの新聞広告は、IBMの版UNIXオペレーティングシステムであるAIXを運用する各法人に向けたもの。UNIXの知的財産権を巡って繰り広げられている今回の論争では、SCOが16日に、IBMのAIX販売ライセンスを取り消し、IBMによるUNIXビジネスの永久差し止めを請求したことを明らかにしている。
一方のSunは、数年前にUNIXのライセンスを完全に購入しているため、SCOがUNIXで主張する法的要求には一切触れないとしている。
「残念ながら、我が社の友人であるIBMはライセンス契約の問題を抱えており、これがAIXを運用している皆さんに大幅なコスト増加を強いる可能性があります。しかし幸いにも、Sunはいつでもお力になれます」(新聞広告より)
このキャンペーンの一環として、Sunは2日分のコンサルティングを無償で提供し、同社の競合UNIXサーバOSであるSun Solarisへの移行に関心を持つ企業に対して、IBMサーバの下取りも実施する。Sunの関係者によると、同社は提供する2日間のコンサルティングのなかで、IBMシステムの下取り価格を決めるという。
SCOでは、AIXライセンスの打ち切りにより、IBMのUNIXを購入した企業が所有するソフトウェアのライセンスも無効になるとしている。だが、IBMがSCOの持つUNIXに関連する業務機密を不正流用し、これをLinuxに組み込んだとするSCOの主張に対して、異議を唱えるIBMでは、同社が保有するUNIX製品の販売ライセンスは有効であり、顧客が心配する必要はないと主張している。なお、IBMは昨年一年間で、36億ドル相当のUNIXサーバを販売している。
SunのCEO(最高経営責任者)、Scott McNealyは、17日にスウェーデンのストックホルムに集まった報道陣に対し、IBMとSCOが法廷に持ち込んだライセンス関連問題は、SunのUNIXビジネス拡大につながるかもしれないと語った。報道によると、McNealyは「我が社がAIXを利用中の顧客に向けて、Solarisが法的問題とも知的財産権の問題とも一切無縁であることを説いていくことははっきりしている」と語ったという。
いっぽう、Sunの広報担当Mark Richardsonは、AIXからSolarisに切り替える顧客が、収益面で大きな影響を及ぼすとは期待していない、と語った。これは、こうしたプロジェクトには大きなコストがかかる場合が多いからだという。「たくさんの企業が切り替えを行うとは思えないが、AIXのライセンス問題に懸念をもつ企業にとっては、代替案として意味がある」(Richardson)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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