米ミュージックマッチと米デルが、音楽販売に乗り出す

 米MusicMatchは、今週中にもデジタル音楽販売ビジネスに参入する予定だ。また、米Dellでも同様のダウンロードサービスを自社で新たに始めると、同社の計画に詳しい情報筋が述べている。

 MusicMatchが新たに始めるサービスは、米Apple ComputerのiTunesやBuyMusicなどのライバルとなるもので、人気の高いMusicMatch Jukeboxソフトを使って、MicrosoftのWindows Mediaフォーマットの楽曲を配信するという。この発表は、早ければ米国時間の9月29日にも行われる。

 楽曲の小売価格についてはまだ明らかにされていないが、レコード業界の情報筋によると、MusicMatchは同様のサービスを提供する他社とほぼ同じ楽曲を同じ価格で揃えるという。ちなみに、AppleのiTunesは1曲99セントで販売しており、BuyMusicでは各種楽曲が79セントからとなっている。

 MusicMatchは、ダウンロードサービスを計画中であることを7月に発表したが、開始のタイミングや提携先についての詳細は明らかにしていなかった。

 MusicMatchの音楽ダウンロードビジネス参入は、AppleによるiTunesサービスの成功に刺激を受けたベンダー各社が、今後数カ月以内に次々に開始するWindowsベース音楽配信サービスの始まりとなる。

 CD作成ソフトウェアベンダーのRoxioでは、Napsterをクリスマスまでに復活させ、ミュージックストア兼登録会員向けサービスとする計画を進めている。AppleのiTunesでも、年末までにWindows向けのサービスを始める予定で、さらにソニーも日、欧、米市場での音楽ダウンロードサービスを来年初めから開始すると発表している。その他、米RealNetworks、米Amazon.com、米Microsoft、そして場合によってはYahooも、近々ダウンロードサービスを開始すると見られている。

 Appleは、1曲99セント均一で音楽を販売する自社のサービスを始めるにあたって、未曾有宇の金額を注ぎ込んでこれを宣伝したが、その甲斐あってか、業界で旋風を巻き起こすことに成功した。そして、それが、他社からさまざまなサービスが登場する先例をつくったといえる。同社幹部が今月初めに明らかにしたところでは、同社はサービス提供開始から最初の約4カ月で、1000万曲以上を販売したという。

 さらに、RIAA(全米レコード協会)の起こしたPtoP関連の訴訟が大きな注目を集めていることも、合法的な音楽配信サービスの利用者増加につながっているという説もある。

 BuyMusicの幹部の話では、RIAAが訴訟を起こした9月初めには、同社の楽曲販売サイトの売上が30%近く上昇したという。

 いっぽう、Dellの関係者は、自社の音楽戦略についてコメントを控えている。だが、Music Matchの新サービスのプロモーションにDellが一役買うという話が浮上したのは、同社が家庭用メディアプレーヤを含む、各種の家電製品の取り扱いを始めると発表した僅か数日後のことだ。

 Dellは、新製品の際に、消費者向け家電分野への参入を進める戦略の一環として、Dell Music Storeという独自のブランドで音楽配信サービスを行うと説明した。しかし、この発表のなかでは、価格設定やパートナー企業などの詳細については明らかにしなかった。情報筋の話では、同社のオンライン音楽ストアはMusicMatchとは別ブランドで展開されるという。

 Dellの最高経営責任者(CEO)、Michael Dellは25日に、新サービスの準備を進めるなかで、複数の主要音楽会社と協議したと述べている。

 Dellは、このサービスが近日中に登場するDell Digital Jukebox音楽プレーヤと同社のPCの購入を検討している顧客にとって、魅力的なものになることを期待している。新サービスでは、顧客がJukebox音楽プレーヤやPCに楽曲をダウンロードできるようになるほか、再生履歴を分析して新しい選曲を推薦する機能も持たせると、Dellは説明した。

 さらに同氏は、Dellの提供する楽曲の価格は、他社が行う同種のサービスと比較しても、魅力的な設定になると付け加えた。

 Music Matchの新たなサービスは、米国市場で展開されるWindowsベースのものとしては、音楽再生ソフトに曲を販売する仕組みを直接組み込んだ初めてのものとなる。なお、ヨーロッパ市場ではすでに、MicrosoftのWindows Media Playerの中のチャネルとして、いくつかの音楽販売サービスが始まっている。

 この点はオンライン音楽配信ビジネスを行うにあたって重要な部分だと、複数の業界関係者が考えている。現在、自社サイトから楽曲をダウンロードさせているBuyMusicでさえ、販売機能を内蔵したジュークボックススタイルの音楽ソフトウェアを開発中だという。

 BuyMusicのバイスプレジデント、Liz Brooksは、「シームレスな使用感は大切だと思う。ウェブ店舗は素晴らしい。どこからでもアクセスできる。しかし、1カ所でもっと多くの手続きが行えれば、使用感もさらに直感的になると思う」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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