米Googleのホームグラウンドともいえる検索結果を舞台に、同社と米Amazon.comが、著名なコンピュータ科学者を巡って戦いを繰り広げている。
ユーザーがGoogleで「Udi Manber」という名前を検索すると、検索結果のページの右上に、Googleの社員募集広告が表示される。このUdi Manberなる人物は、先頃Amazonが新たに設立した検索サービス事業部門、A9.comの社長に就任した著名なコンピュータ科学者だ。
Amazonは米国時間25日遅くに、さっそく対抗手段に打って出た。Googleのセルフサービス広告掲載プログラム「AdWords」から、Manberの名前が検索された場合に自社の求人広告を掲載するよう手続きを行ったのだ。だが、依然としてGoogleの広告の方がAmazonのものよりも上に表示されてしまうようだ。
Googleの関係者は、コンピュータ科学の用語や著名なコンピュータ科学者の名前と共に、Manberの名前を、自社の求人広告に関連づけ、それが検索結果と並んで表示されるようにしたことを認めた。関連付けられた単語のなかには、「文書間類似度」や、「Page、Brin」などが含まれているが、後者はGoogleの創立者Larry PageおよびSergey Brinにちなんだものだ。
この件に関して、Amazonではコメントを控えているが、今回の一件は、同社が独自のショッピング検索技術を開発中で、Googleの本社があるシリコンバレーで有能なソフトウェアエンジニアの獲得に乗り出しているとの報道が浮上した矢先の出来事だ。
また、GoogleがAmazonにウェブ検索などのサービスを今後少なくとも2年間は提供するという契約を結んでから、まだ5カ月しか経っていない。
それにもかかわらず、Amazonは先頃A9のトップの座にManberを据えた。A9はAmazonの別働部隊で、カリフォルニア州パロアルトに本拠を構えている。同社の広報担当であるAlison Dibollによれば、Manberは10月にサービス開始が予定される、社内およびサードパーティー向けの「最高の電子商取引検索技術」を開発するために、人材の確保とシステム構築を任されているという。さらに、アナリストの話では、A9が実現すれば、AmazonはGoogleなどの大手検索サイトと簡単に方を並べるようになるかもしれないという。
Googleのキーワード広告は、同社の人材募集キャンペーンの一つに過ぎない。同社は先日、Code Jam 2003というプログラミングコンテストの開催を決め、優勝者には1万ドルの賞金およびGoogleへの就職の機会を与えると発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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