新たに発表された調査によると、登録会員向けの有料ビデオストリーミング配信サービスは、今後数年で売上が急増し、2007年には45億ドルの市場規模に達するという。
アリゾナ州スコッツデールの調査会社In-Stat/MDRによれば、この2007年に予想される数字は、デジタルビデオの有料配信サービスで今年見込まれる9億9100万ドルという売上の3倍以上にあたるという。
「Consumer Oriented Subscription Video Services Over IP Networks(IPネットワークを利用した消費者向け有料ビデオサービス)」と題する調査は、この成長要因として、ブロードバンド加入者が増加したことや、オンラインサービスに喜んで対価を払う利用者が増えたこと、ウェブ用に作成されるコンテンツの品質が向上したことを挙げている。
ストリーミングビデオは、長いことインターネットの次のキラーアプリケーションといわれてきたが、技術やコンテンツ、ブロードバンドなどの制約を受け、発展が阻まれてきた。現在、テクノロジー企業の努力によって、ビデオ圧縮ソフトウェアは、速度、品質とコストの点で大きく改善されている。アナリストは、現在、2000万〜3000万世帯が高速接続でインターネットを利用しているとみており、In-Stat/MDRは、2007年末にはこれが1億3000万世帯以上に増えると予想している。そして、いくつかの地域でビデオ配信サービスが定着するにつれ、ネット企業側は新たなサービスを開発している。
有料ビデオ配信サービスから利益を得そうな企業としては、米RealNetworksがある。ニュースやエンターテインメント向けのビデオ、オーディオ配信サービスを行う同社のRealOne SuperPassサービスは、すでに100万人の会員を獲得している。InStat/MDRによれば、いずれも今年後半に同様のサービスの提供を考えているMicrosoftのMSN、AOLやYahooも、右肩上がりの有料ビデオサービスの恩恵を受けるという。
同調査によれば、ESPNのスポーツビデオのような専門コンテンツやMovielinkのようなビデオオンデマンドサイトも、登録会員の増加に拍車をかけているという。また、Vibe Phone、Intratel、日本のYahoo BBやイタリアのFastWebのような、ビデオ配信サービスのインフラを提供する企業も、恩恵を蒙ると見られている。
さらに、この分野での売上のほとんどが、米国ではなく、アジア市場からのものとなりそうだ。InStat/MDRによれば、アジアでは2007年に12億ドルの売上が予想され、これに欧州が続くという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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