米IBMと、米General Electric(GE)のInterlogix事業部門は19日(米国時間)、セキュリティ分野での提携を発表した。両社はこの提携に基づき、コンピュータセキュリティシステムと物理的セキュリティシステムを統合した、新しいシステムを大企業向けに提供する。
GE Interlogixは今回の提携で、同社のセキュリティソフトウェアとIBMの企業管理/アプリケーションサーバソフトとを統合し、コンピュータネットワーク、建物、従業員の保護を目的とした新システムの開発を行う。
今回の提携で実現の可能性のあるプロジェクトの1例としては、統合型セキュリティネットワークが挙げられる。このなかでは、従業員が施設に出入りするために使うカードキーが、コンピュータシステム上のパスワードにリンクされる。IBM Global Servicesの事業開発担当バイスプレジデント、Ray Blairは、顧客はセキュリティ強化を図れる上に、経費も削減できて一石二鳥、と語った。
「たとえばある人物が、バッジを外して施設を後にし、その10分後に別の人間が、その人物のパスワードを使ってコンピュータシステムにアクセスしようとすると、直ちに警報機が鳴り出す」とBlair。「物理的セキュリティとITセキュリティの2種類のツールを統合することにより、かつてないほど高いレベルのセキュリティ保護が可能となる」(Blair)。
IBMは今回の提携により、人事システム、施設管理用アプリケーションと、バッジ読取り機、侵入検知/監視システムといった物理的セキュリティ資産とを統合すると発表した。またBlairによると、このシステムは、スマートカードを使ったシングルサインオン・プロテクションなどのロジカルセキュリティ機能とも接続されるという。
Blairは、実現の可能性のある別のアプリケーションとして、顔認証システムを挙げた。このシステムは、施設に違法に接近した者の身元確認を行うものだ。また、ラップトップコンピュータにRFID(無線認識)タグを挿入し、そのコンピュータが施設内のどこで使用されているかを追跡する、といったことも検討しているという。
IBMは今回の業務提携で、ITセキュリティサービスおよびアプリケーション統合サービスの提供を担当する。またネットワークパートナーと協力し、顧客が行うITインフラとバックオフィスシステムとの統合を支援する。さらに要請があれば、プロジェクト管理全体も請け負うという。
今回の契約に基づいて、GE Interlogixが統合するのは、同社のセキュリティ統合ソフト「Facility Commander」と、IBMのTivoliエンタープライズマネジメントソフト(Tivoli Risk ManagerやTivoli Enterprise Consoleを含む)と、サーバソフトのWebSphereだ。IBMによると、GE InterlogixはさらにIBM Directory IntegratorとデータベースソフトのIBM DB2もサポートするという。
IBMは、同社のIBM Tivoli Access ManagerとIBM Tivoli Identity Managerを、GEの他の製品にも組み込み、ID管理業務プロセスと物理的セキュリティ業務とを統合し、自動化する計画であると発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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