サンノゼ発- 半導体業界のリーダーによれば、中国メーカーの参入で生産能力が増大し、その結果2005年にまたもや半導体市場で不況が起こりそうだという。
Taiwan Semiconductor Manufacturingの創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるMorris Changは米国時間15日、半導体業界は5年ごとに不況に見舞われており、多くの場合、その原因は新しい国が市場に参入してくるためだ、と述べた。
サンノゼで開催された「台湾と中国の半導体業界の展望」と題するカンファレンスで、Changは参加者を前に、中国の参入によって2005年に半導体不況が起こるだろうと語った。「中国は、次々に半導体製造工場を建設している」(Chang)
Changは、マイクロプロセッサ業界の重鎮の1人だが、半導体業界についてほかにも暗い見通しを抱いている。同氏によれば、米Intel共同創業者のGordon Mooreが唱えた「ムーアの法則」は、技術的には持続可能だが、新たな製造工場の建設に費用がかかりすぎるため、経済的には実現できるものではないという。
「ムーアの法則は、ペースを落とす必要がある。経済の点からみると、我々は壁にぶちあたろうとしている。いまのような高価な設計を、これ以上続けることもできないし、これ以上大きな工場を作る余裕もない」。
ムーアの法則が進化するにつれ、半導体の製造工場建設コストは高くなる一方だという。同氏は、90ナノメートル(1メートルの10億分の1)チップに言及しながら、現在製造されているような複雑なチップを設計するには3000万ドルもかかると述べた。
「90ナノメートルのチップを作る工場を建設するには、30億ドルもの巨費が必要だ。工場建設に30億ドルも出せる会社はほとんどない」(Chang)
一方、2000年に始まった厳しい不況を通り抜けた半導体業界に関し、アナリストは最近、短期的には楽観的な見方に変わっている。米Merrill Lynchのアナリストは15日、業界の今年の売上の伸びをそれまでの10%から12%に上方修正し、総売上は1570億ドルになるとの予測を発表した。
また、2004年については、成長率を15%から18%へと上方修正し、総売上が1850億ドルになると予測。さらに、2005年には成長率が21%、市場規模が2250億ドルになると、Merrill Lynchでは予測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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