NANDがフラッシュメモリカード売上増の原動力に

 調査会社の米Gartnerは、NAND型フラッシュメモリカードの価格低下と、同メモリカードを搭載した消費者向け機器の売上増により、今後世界におけるフラッシュメモリカードの売上げが増加すると見ている。

 Gartnerは11日(米国時間)、フラッシュメモリカード市場が2003年の今年、19億9000万ドルの売上げを記録した昨年から38%増の27億5000万ドル規模に達すると発表した。

 今後もデジカメなど、従来からフラッシュメモリが使用されてきた機器からの需要が中心だが、データストレージからの新たなニーズによって、さらに売上げが伸びると、Gartnerは見ている。また2002年から2007年にかけ、携帯電話やデジタルビデオカメラといったアプリケーションが、すでに予想されているストレージメガバイトに対する81%の需要増に貢献すると期待されている。

 かつてフラッシュメモリ市場を独占していたNOR(Not Or)型電子ロジックゲートフラッシュと区別される新型フラッシュメモリ、NAND(Not And)型電子ロジックゲートフラッシュメモリの価格が、2002年および2003年上半期に低下した。この価格低下により、それまで企業向け市場に出荷されていたフラッシュメモリカードが、消費者向け市場にも流れ出した。というのも、より多くの消費者が価格に見合うストレージの利点に気づいたからだ。

 Gartnerは、QualcommやSanDiskが採用しているSecure Digitalフォーマットと、SonyのMemory Stickフォーマットが、2007年までに両方合わせて総収入の65%を占め、フラッシュメモリカード市場を独占すると予測している。これらのフォーマットは、人を惹き付ける特性があることに加え、業界の強力な支持も得ている。

 フラッシュメモリカード市場は小売が原動力となっており、価格に敏感な市場だとGartnerは指摘している。2003年下半期は平均価格が安定しているため、消費者の購買能力が今後の需要動向を左右する重要な鍵となる。しかし、消費者にとっては、決していい買物にはならないだろう。というのも、フラッシュメモリは数多くのフォーマットが乱立している状態で、その多くに互換性がないためだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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