米議会、ワームへの対応で紛糾

 米国の下院議員は10日(米国時間)、悪意あるワームやウイルスが原因の問題が多発していることへの苛立ちを表明し、市民を守るために、さらなる法的措置や刑事告発が必要かどうかを検討した。

 共和党議員のAdam Putnamは、政府におけるIT技術の利用を調査する下院小委員会の会長を務めているが、同氏はこの日開かれた公聴会のなかで、MSBlastワーム(W32/BlasterやW32.Lovsanという名でも知られる)などのウイルスで大混乱を巻き起こした張本人の特定・起訴に関して、司法省と連邦捜査局(FBI)は充分な仕事をしているとはいえないと発言した。

 「毎年、数百種類ものウイルスが発生している。・・・だが、これまでにあがった成果といえば、たった2件の逮捕、2件の有罪判決、そして2件の実刑しか思いつけない」と、Putnamは司法省の役人に疑問をぶつけた。そして、「どこが脅威の出所だったのか? 国内か? それとも国外か?--こういったことすら、本当のところはわかっていない」と述べた。

 こうした知識の欠如は、司法省のコンピュータ犯罪に対する取り組みの「真剣さの程度が異なる」、つまりそれが充分でないことを示していると語った。

 これに対し、コンピュータ犯罪分野を担当する検事補佐代理のJohn Malcolmは、次のような答弁を行った。「その発言の含意を、完全に否認したい。コンピュータ犯罪は、通常よりはるかに複雑な調査が必要だ。高度な技術を持つ人々は、自分たちの足跡を残さないことに非常に長けている。メディアで報道される逮捕件数が少ないからといって、司法省でコンピュータ犯罪に対する優先順位が高くないと仮定するのは、完全に間違っている」(Malcolm)

 電子メールウイルスのSobig.Fや、MicrosoftのWindowsに存在する欠陥を突いてコンピュータ内部に侵入するMSBlastワームなどを作成した影の首謀者たちは、いまだに捕まっていないものの、警察側でもいくつかの進展があった。ルーマニアの警察は10日、Dan Dumitru Ciobanuという24歳の青年が、MSBlast.Fと呼ばれるMSBlastワームの変種をばら撒いたことを認めたと発表した。また、米国では連邦警察がMSBlast.Bをリリースした疑いでJeffrey Lee Parsonを逮捕している。

 ミシガン州選出の共和党議員、Candice Millerは、一般論としては民間セクターに過剰な規定を持ち込むことを懸念しているという。だが、セキュリティの侵害が増えていることや、インターネットの重要性が増していることから、法律制定に関する自制を終わりにすべき時がきたと発言した。

 Millerやその他の小委員会委員は、MicrosoftのWindowsのような、広く普及したOSに存在する脆弱性が、政府機関に与える影響に関して、とりわけ強く懸念していると述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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