RIAA(全米レコード協会)が明らかにしたところによると、同協会は米国時間8日、数百万ドル相当の損害に匹敵する「著しい」著作権侵害の疑いで、ファイル交換利用者を相手取り261件の訴訟を起こした。
早くから予想されていた膨大な件数の訴訟は、KaZaAや、かつてのNapsterなどのオンライン楽曲交換サービスと音楽業界とが、3年前から繰り広げてきた戦いの転機を示すとともに、音楽業界のデジタル技術に対する取り組みの上で最大の論議を呼ぶ瞬間でもある。
実際の顧客でもあるファイル交換利用者との直接衝突を長年避けてきた業界の幹部は、我慢が限界に達したことを明かした。同8日に起こした訴訟は、同団体が今後数カ月で「ほかにも数千件以上」起こそうとしている訴訟の第一弾に過ぎない。
RIAA会長のCary Shermanは、「復讐や懲罰が目標ではなく、ピアツーピアのユーザーに自分の保有しない楽曲の配信を中止させたいだけのことだ」と語っている。
これら一連の訴訟は 著作権法が個人インターネットユーザーに大々的に適用される初めてのケースになる。これまでも著作権侵害サーバやサイトの運営者に対する散発的な訴訟はあったが、普通のコンピュータユーザーが広く流行する行為に対して深刻な法的責任を問われることはなかった。
RIAAによると、そこが今回の前代未聞の訴訟で強調しようとしているポイントだという。Napsterの登場から今日まで、数千万人のユーザーが自分の行為の違法性をほとんど認識することなくKaZaAなどのサービスを通じて楽曲、映画、そしてソフトウェアのオンライン交換に手を染めた。CNET News.comを公開するCNET Networksが運営するソフトウェアコレクションサイトのDownload.comによると、8日に起こされた訴訟の脅威が目前に迫っているにもかかわらず、KaZaAソフトウェアは先週だけで280万本以上がダウンロードされているという。
今回の大量訴訟では、このような行為に対して初めて膨大な損害賠償を求めることになる。著作権法では、違反者には1件につき最大15万ドルの罰金が科されるとあり、今回の被告の中には膨大な額を請求されるケースも考えられる。RIAAによると、同8日提訴された個人の大半はファイル交換ネットワークで1000曲以上を公開していたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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