ITサービス大手の米IBMは5日(米国時間)、2つの新たな複数年契約を受注したと発表、また別の契約についても詳細を明らかにした。
IBMの発表によると、同社はMalaysia Airlinesから10年間にわたる、総額約1億1500万ドル相当のITサービス契約を受注、さらにチリの通信事業会社Telefonica del Surとも5年間のITアウトソーシング契約(金額未公表)を交わしたという。同社はまた、以前発表したJohn Hancock Financial ServicesとのITアウトソーシング契約について、6年間で総額2億5400万ドルの取引になるとも語った。
コストを削減し、核となる事業の運営に集中するために、企業はIBMや米Electronic Data Systems、米Hewlett-Packardのようなサービスベンダーに、コンピュータシステムの構築・管理や他のITサービスを委託するようになってきている。
ハードウェアおよびソフトウェアのメーカーとして名前の通っているIBMだが、実はITサービス契約の受注で首位に立っている。調査会社の米Gartnerによると、昨年同社はもっとも多くのITインフラのアウトソーシング契約を受注し、契約高は10億ドルあるいはそれ以上にのぼったという。
しかし、大型のITサービス契約には、同時に資金的な持ち出しや人件費の増加など、大きなコストも発生する。たとえばIBMは、John Hancockのスタッフ200人程度を自社で雇い入れたと、John Hancockの最高情報責任者(CIO)であるRobert Waltersは述べている。Malaysia Airlinesとの契約では、同社のITスタッフはIBMに移るかMalaysia Airlinesに残るかを選択できる。
IBMは、Malaysia Airlineとの契約で、同社のITインフラの運営管理のほか、アプリケーションのメンテナンスや開発を請け負う。また、Telefonica del Surとの契約では、同社および系列会社の情報・管理システムを支えるITインフラを管理する。
さらにJohn Hancockとの契約では、IBMはコンピュータやストレージシステム、通信網の管理を引き受ける。この契約はIBMの「オンディマンド・コンピューティング」の取り組みを踏まえた、「使った分だけ支払う」料金体系を採用している。
Waltersの話では、7月から始まったこの契約の結果、約60人のJohn Hancockスタッフが失職したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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