米PeopleSoftは、証券アナリストを前に、先頃獲得した米J.D.Edwardsの吸収計画について、詳細を明らかにした。同社では、1000人規模の一時解雇を行う予定だが、Edwards製品の取り扱いはそのまま継続する。
PeopleSoft幹部は米国時間4日、ニューヨークで大勢の証券アナリストを前に、今後自社でJ. D. Edwardsのメーンフレームおよびクライアントサーバ向け製品、ならびに同社の一連のアプリケーションを、3つの異なる製品ラインとして維持していくと発表した。この計画の下で、J.D.Edwards製品は、それぞれPeopleSoft WorldとPeopleSoft Enterprise Oneの名称に変更される。
PeopleSoft最高経営責任者(CEO)のCraig Conwayは、同社のアプローチと、米Oracleの計画との違いをそれとなく示したかったようだ。Oracleは、PeopleSoftの獲得を目指し、敵対的買収を仕掛けているが、それが実現した暁には、J.D.Edwards製品の取り扱いやサポートを中止すると発表していた。同社がJ.D. Edwardsの獲得に合意したのと同じ週に開始された、Oracleのこの敵対的買収について、PeopleSoftはこれまでのところ、この提案をかわすことに成功している。これらの3つの企業は、いずれもビジネスマネジメントアプリケーション市場で競争している。
アナリスト向けのPeopleSoftの発表を聞いたJ.D.Edwardsユーザーは、ひとまず胸をなでおろすだろうが、同社の従業員のほうは安閑としていられなくなった。J.D.Edwardsの獲得に伴って発生する両社の重複部分のコストを、1億6700万ドルから2億700万ドル削減するという目標の一環として、PeopleSoft幹部は750人から1000人を解雇すると発表した。両社合せて1万3000人の従業員のうち、6%から8%がレイオフの対象になる。
PeopleSoftは、J.D.Edwardsの買収に18億ドルを投じたが、その結果、当初は1億5000万ドルから2億ドルの年間経費を削減できると予想していた。ただし、解雇者がどちらの会社に集中するかについて詳細は、今回の発表でも明かされなかった。しかし、PeopleSoft最高財務責任者(CDO)のKevin Parkerは、削減の対象となるのは重複する管理部門、マーケティング部門および中間管理者で、開発、販売およびコンサルティング部門はそのまま残るだろうと説明した。
PeopleSoftは、コスト削減に加えて、それぞれの顧客に相互の製品を販売することで、売り上げを拡大できることも強調した。そのため、PeopleSoftは両社の製品に互換性をもたせる目的で、技術開発を行うことになっている。PeopleSoftは、今後6カ月でこの作業を終える予定だが、このような取り組みにしては、かなりの短期間だ。またJ.D.Edwardsの獲得は、PeopleSoftが今後18カ月で予定している新製品の開発にも一役買っていると、同社製品・技術担当のエクゼクティブ・バイスプレジデント、Ram Guptaは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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