セキュリティソフトウェア/サービスベンダーの米Symantecは、自社の主要ウイルス対策プログラムの新バージョンに、論争を巻き起こしていた著作権侵害対策技術を追加した。
Symantecが米国時間25日に来月リリースを発表したNorton Antivirus 2004は、アプリケーションと特定のPCとを結びつけるテクニックとして一般化しつつある、プロダクト・アクティベーションを採用する。同社では来年までに自社のコンシューマー向けソフトウェアの全シリーズに、このアクティベーション機能を追加する予定。
同社シニア製品マネジャーのDel Smithによると、アクティベーション機能採用は大量に出回っている同ソフトの偽造コピーから、消費者を保護することが目的だという。同社の試算では、同プログラムの偽造コピーが少なくとも年間に360万本販売されており、Symantecと、購入後にソフトウェアの問題を知った悪意のない購入者の双方に、面倒な問題を引き起こしているという。
プロダクト・アクティベーションを初めて大々的に採用した大手ソフトウェアメーカーは米Microsoftで、PCのハードウェアに関するちょっとした変更でも同技術が動作を妨げるとの懸念が広がる中、これをWindows XPオペレーティングシステムで採用した。
その後、Intuitも製品アクティベーションを採用し、TurboTax税務申告ソフトウェアの新バージョンにソフトウェアメーカーのMacrovisionが開発したシステムを採用した。だが、インストレーションの失敗、PCの動作速度低下、そして不適切な情報公開に苦情が殺到し、後に同社はアクティベーションの断念に追い込まれた。
Adobe SystemsとMacromediaも、最近のリリースでアクティベーション機能の実験を試みている。
Smithによると、Symantecが実装したプロダクト・アクティベーション機能はMicrosoftと同じもので、Macrovisionの技術は採用していないという。Symantecのシステムは、ユニークな英数字コードを生成してPCのコンフィギュレーションを特定し、これと特定のソフトウェアの製品キーとを結びつける。そしてPCのハードディスクにライセンス情報を保存し、同一製品キーで最大5回のアクティベーションを許可する。また、TurboTaxのようにハードディスクのブートセクタに書き込みを行うことはない。
調査会社の米IDCでアナリストを務めるAl Gillenは、アンチウイルスソフトウェアの使い方を考えると、Symantecによるプロダクト・アクティベーション機能採用がカスタマーとの摩擦を引き起こすことはないだろうという。
Smithによると、25万人以上の顧客がSymantec製品の試用版でプロダクト・アクティベーションのプロセスを体験したが、クレームを寄せたカスタマーは極わずかだったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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