米RBC Capital Marketsのアナリストは20日(米国時間)、ストレージ業界の勢いが増しているとの報告を発表した。
同社はこの報告書の中で、ストレージ業界の夏の業績が予想よりもよい傾向を示していると記している。また、この強気の評価を受ける形で、RBCは同日、ストレージ機器メーカーの米EMCと米Network Applianceの株式をそれぞれ「sector perform」から「outperform」へ格上げした。
Network Applianceは19日、驚くほど好調な業績を発表した。8月1日締めの四半期に、同社の純利益は前年同期比67%増の2710万ドル、1株あたりの純利益は8セントとなった。なお、2002年同四半期の純利益は、1620万ドルで、1株あたり5セントだった。調査会社のFirst Callによって行われたアナリストの同社の利益予想の集計では、1株あたり7セントで、この予想を上回る利益を確保したことになる。
投資銀行のLazard Freres & Co.でも、同日Network Applianceの株式について「sell」から「hold」へと変更を行った。
Network Applianceは、NAS(Network Attached Strage)と呼ばれるネットワーク直付け型ストレージの販売を行っている。NASは、数年内に大きくブレイクすると予想されている注目の製品。調査会社IDCの報告によれば、NAS市場は2002年に15億4000万ドルへとダウンしたものの、今年2003年には17億7000万ドルへと揺り戻し、2007年にはさらに31億7000万ドルへと大きくアップするとしている。
IDCによれば、2003年第1四半期におけるディスクストレージ市場全体の規模は、昨年同期と比べて減少し、48億ドルになったという。また、この調査では、同時期にサーバ直付け型のストレージよりも、ネットワーク型ストレージのほうが高い売上をあげたことも報告している。
EMCは、これらNAS製品の開発と同時に、SAN(Storage Area Network)向け機器の提供も行っている。SANは、主に大企業などで使われているもの。
IDCによると、NASとSANを含むネットワーク型ストレージ市場全体では、EMCが26.3%の市場シェアを握り、首位を走っている。
今回のEMCの格付けアップについて、RBCは先日EMCが発表したLegato Systemsの買収が、ソフトウェア部門の売り上げ増につながるとの期待を受けたものだとしている。「Legato Systemsのバックアップビジネスは、EMCの支援を受けて改善するだろう」と、RBCのアナリストは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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