米Microsoftは来月、エンタープライズストレージ市場のシェア拡大を目指し、新しいソフトウェアを発売するとともに、ある長年の実績に裏付けられた戦略を打ち出す。その戦略とは値下げである。
同社のStorage Server 2003ソフトウェアは、NAS(network-attached storage)デバイス上でオペレーティングシステムとして動作するものだが、来月デビューすると見られている。
NASデバイスは、ネットワークにつながったコンピュータユーザーへのファイルやデータの提供に特化したコンピュータで、規模の小さな企業や、法律事務所や金融サービス関連企業などの大組織内のワークグループで、ファイル形式で収められたデータに頻繁にアクセスするユーザーに利用されることが多い。
Microsoftの話では、この新ソフトウェアは既存のNASソフトウェアのパフォーマンスを強化し、データコピーツールなどの新機能を追加するほか、より多くのNASマシンのクラスタリングをサポートしているという。Storage Server 2003は専用ファイルサーバ向けに改良されたWindows Server 2003オペレーティングシステムがベースになっている。
同ソフトウェアのデビューは、ベテラン幹部のBob Mugliaをトップに任命して2002年の1月に立ち上がったMicrosoftのEnterprise Storage Divisionにとって大きな節目となる。同事業部は、昨年は新しいパートナー各社との契約に追われていた。
Microsoftはここ1年でストレージ市場でのシェアを拡大し、NASデバイス市場でのWindowsのマーケットシェアは今年初めに8ポイント上昇して41%に達している。
これまでは、Windowsベースのストレージシステムは規模の小さい企業で利用されるのが一般的だった。だがMicrosoftは、パフォーマンスの向上した今回の製品なら、大企業の重要なストレージ業務にも活用できると主張している。
市場調査会社のEnterprise Storage Groupでアナリストを務めるNancy Marrone-Hurleyも、今回のアップグレードでMicrosoftがハイエンドのストレージ市場でも戦えるようになるという点に同意する
「これまでMicrosoftはこの市場では競争力がなかったが、これで効果的にハイエンド市場の顧客を狙えるようになる」(Marrone-Hurley)
ハイエンド市場への進出を図るために、同社はデータベースソフト、ネットワークOS、ビジネスアプリケーションなど他の分野で成功を収めてきた戦術を用いる。それは多数の機能をバンドルし、ライバルを価格で圧倒するというやり方だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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