反テロ法のために遊説を行うアシュクロフト米司法長官

 米国司法長官John Ashcroftは、論議を呼んでいる反テロ法(USA Patriot Act)への支持を獲得するため、異例の米国一周ツアーを開始した。

 米国がテロリストに攻撃された2001年9月11日の6週間後に立法化された同法は、いくつかの状況において、警察が判事の許可なしに電子メールやウェブでの活動を監視することや、米国民の家庭やオフィスを秘密に捜索できるよう裁判所の命令を獲得すること、犯罪を実証することなく医学的あるいは財務的記録をブラウジングすることを認めている。

 Ashcroftの反テロ法ツアーは、20日朝、フィラデルフィアの米国憲法センターにて行った警察へのスピーチで皮切りとなり、その日の午後にはクリーブランドでスピーチが予定されていた。

 19日、保守的な米国企業研究所(AEI)に向けて行ったウォーミングアップスピーチで、Ashcroftは、同法は連邦および地方の警官が最新技術を扱うのを助けるものだと強調した。「たとえば、以前、調査官は容疑者が携帯電話を変える度に新たに電話盗聴指令を受けなければならなかった。だが、現在ではある容疑者に対して一度電話盗聴指令を受ければ、その容疑者が異なる電話を使っても同じ指令を適用できる」。

 米自由人権協会(ACLU)のワシントンD.C.事務所のトップであるLaura Murphyは、声明の中で次のように記している。「司法長官の巡回ツアーは政治的性質が強く、国を巡業して保守層の支持の旗を強化することを目的としたものだ。評判の悪い立法措置に対して無用な作業を行うために、司法長官が自分のオフィスにおける責務を放棄することは賢明といえるだろうか? もし、答えが一部の人が予期している通りの答えであれば、安全と自由に傷がつくだろう」

 急いで議会を通過したこの反テロ法を不満に思う声が議会で高まりつつあることを示す動きがある。先月、下院は司法省の懇願を却下し、警察が家庭やオフィスに内密に侵入する令状を裁判所に請求することを認めている法律を部分的に妨害する法案を、309対118の投票結果で成立させた。これは商務省と司法省そして国務省の支出に関する法律への修正案で、“秘密の捜索”を認める法律を無効にしない代わりに、連邦機関がそれを利用するために使われる基金を設立することを禁止している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]