メーカー各社は、メディアアダプターにWi-Fi無線通信接続機能を付加し、家電製品で音楽を聴いたり、パソコン内に保存した写真を見られるようにしている。
メディアアダプターを導入すると、パソコン内に保存したデジタルコンテンツを、そのパソコン以外でも簡単に楽しめるようになる。メーカー各社では、デジタルカメラやオンラインからダウンロードしてきたデジタル音楽などが人気を博していることにあやかろうとしており、そのためのアダプターを発売している。ただし、その多くは、TVやステレオとパソコンとを接続するためにケーブルを使用するものだ。
米国時間14日に発表されたCisco SystemsのWireless-Bメディアアダプター、そしてソニーのRoomLinkは、いずれもWi-Fi アクセスポイントを用いるため、ケーブルで機器を接続する必要がない。Wi-Fi ネットワークは、既に何百万もの家庭やオフィスで使われているが、これは802.11b規格を利用して、最大300フィート離れたところにある機器に、11Mbpsの転送速度でファイルを転送することが可能だ。なお、どちらの製品の価格も200ドルとなっている。
無線アダプターは、Wi-Fi接続がノートPC以外にも使われはじめたことを示す新たな印である。わずか2年前には、Wi-Fiネットワークを利用する機器はノートPC以外には殆ど見あたらなかった。だが現在では、家庭用娯楽機器に加え、タブレットPC、プリンタ、PDA、ステレオ、そしてTVなど、さまざまな機器をWi-Fiネットワークが結びつけている。
「その結果、無線接続機能を持つ一連の新たな家電製品が家庭内ネットワークに加わり、家中にある他のさまざまな機器と接続するようになっている」と、Linksysのマーケティングディレクターを務めるMike Wagnerは説明する。
LinksysのWireless-Bメディア アダプターの開発は、困難に遭遇した。Linksysは、5月までにこのアダプターをリリースすると約束していたが、結局市場に出るのはその約3か月後となる8月の見通しだ。「我々は5月のリリースを目指していたが、顧客を圧倒するような製品を作り出すために、予定していたより多くの時間を費やすことになった」と、シスコのLinksys部門の代表は述べている。
ほとんどの初期世代の機器がそうであるように、これらのデバイスにも難点がある。ソニーの製品は同社の他の機器としか接続できず、またあまり人気のない802.11a規格に基づく無線ネットワークしか使えない。また、Linksysのアダプターは、Windows XPが動作しているPCでしか利用できない。
さらに、Linksysのメディア アダプターはビデオと連動できず、このためケーブルテレビ用モデムとテレビ間での無線データ通信ができなくなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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