レコード会社の米EMI Musicによると、オンラインでの音楽配信に難色を示し続けてきていたRolling Stonesが、ついに自分たちの楽曲をオンラインで販売することに同意したという。
尊敬されているロックバンドがオンラインに登場することは、デジタル音楽が急速に主流になりつつあることを示しており、同時にオンライン音楽配信企業にとっては歓迎すべき知らせでもある。オンライン音楽業界は、顧客へアピールするにあたって、Rolling StonesやBeatlesなどの有名なバンドの名前が欠けていることが、大きな穴となっていると感じていたからだ。
Rolling Stonesの音楽は18日(米国時間)より、RealNetworksの提供するRhapsodyで独占販売となる。これは、Rhapsodyの新しいプロモーションの一部で、米国の小売チェーンBest Buyの店内でも同時にプロモーションが行われることになっている。アナリストらは、オフラインで広くプロモーションを行うことは、デジタルメディアが成熟してきた重要なサインだと見ている。
大手小売チェーン、オンライン音楽配信企業、そしてレコード会社の3社が共同でプロモーションを展開することで、合法的なオンラインでの音楽配信サービスを広く普及させる上で立ちはだかっていた障害のいくつかが無くなったことになる。
Beatlesをはじめとする有名な反対者とは異なり、Rolling Stonesは自らの音楽をオンラインで販売すること自体には反対していなかった。だが、同グループは約40年にも及ぶキャリアを持つため、その楽曲の多くはデジタル化された音楽に関する著作権の問題が法律家の目にとまる前にレコーディングされているものだ。これは、同グループと同グループの楽曲を販売する複数のレコード会社の間に、契約に関する厄介な問題を引き起こしていた。
EMI Musicの広報担当者によると、こうした問題が解決され、ファンは主要なオンライン音楽サイトでRolling Stonesの音楽を購入し、ダウンロードできるようになるという。1960年代に同グループが録音した作品に関しては、 ABKCO Recordsが殆どの権利を保有しているが、同レーベルもまたオンラインでの音楽配信を許可する予定だ。同社にとっては、これが初めての試みとなるが、但し配信方式はストリーミングのみになるという。
いっぽう小売側から見ると、Best BuyがRealNetworksのRhapsodyのプロモーションに同意したことは、オンラインとオフラインの間の溝が埋まりつつあることを示すものといえるだろう。また、保守的な顧客はオンラインで販売される製品に触れる機会を提供するものでもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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