「NTT東西がBBフォンの強力な競合になるとは思わない」---ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は8月8日、NTT東日本とNTT西日本がIP電話サービスに参入することに対してこのように述べ、自社サービスに対する強い自信を示した。
孫氏はNTT東西が予定している固定電話からIP電話への通話サービスについて、「(NTTのサービスは)050番号をかけないと着信ができない。これは決定的欠陥だ」と指摘。ソフトバンクグループの提供するIP電話サービスのBBフォンでは、従来の電話番号で着信できるため、「似て非なる決定的な差だ」と話す。
「事前にグラウンドデザインを想定して設計したか、競合上やらなくてはいけないために、とって付けたサービスかの違いだ」(孫氏)。実際、BBフォンでは従来の電話番号をそのまま利用できたり、携帯電話に着信できるようにするために、いくつもの特許を申請しているという。
孫氏はNTT東西がIP電話の参入を表明したことで、「IP電話は正しいということが正式に認められた」と語る。「今まで一般の人は、『IP電話は面白そうだけど大丈夫か』というイメージを持っており、NTTの上層部もそのようなコメントをしていた。そのNTT自身がIP電話で行くと正式に打ち出したことは大歓迎だ。時代の流れが(IP電話に)来たということを認識できる」と強い自信を見せた。
Yahoo! BB、顧客獲得費を除けば黒字化を達成
自社サービスに強い自信を見せるソフトバンクBB代表取締役社長の孫正義氏 | |
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ソフトバンクは同日、2003年第1四半期(2003年4月〜6月)の連結決算を発表した。売上高は1038億8100万円、営業損失が241億9700万円、経常損失が306億3300万円、当期純損失は347億3400万円の赤字となった。
分野別にみると、ADSLサービスのYahoo! BBを中心としたブロードバンドインフラ事業の売上高が前年同期の59億円から178億円増加し、238億円となった。また、Yahoo! BBの課金ユーザー数が6月に200万人を超えたことで、顧客獲得費考慮前の営業利益が5億円となり、単月黒字化を達成したという。
しかし顧客獲得関連費等の費用負担が影響し、同事業の営業損益は288億9000万円の赤字となった。孫氏はこの点について「社内では見込んでいた通りの営業損失」と話し、計画通りである点を強調した。さらにこの赤字額は2002年第4四半期の357億円をピークに減少傾向にあるとして、「着実にV字ターンを描いている」と経営の順調ぶりをアピールした。
ブロードバンドインフラ以外の事業は営業利益が拡大した。2002年中間期に1億円だった営業利益が、今期は46億円にまで拡大したという。特にヤフーを抱えるインターネット・カルチャー部門が好調で、ヤフーの広告関連売上高が過去最高になったことなどから同部門の売上高は131億6500万円、営業利益は66億4800万円の黒字となった。
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