サンフランシスコ発-- Linuxのユーザーに言わせると、Linuxを採用する組織が増えているのには、それなりの理由があるという。ズバリ「安い」というのがその理由だ。
開催中の「LinuxWorld Conference and Expo」 で5日(米国時間) 、IBMの主催するイベントが行われたが、これに参加したIBMの幹部およびLinuxの採用を決めた顧客によると、ソフトウェアの管理や購入にかかるコストを、オープンソースのソフトウェアに切り替えることで大幅に削減できるという。もちろん、Linux関連のイベントでWindowsの長所を数え上げる企業もありえないが、しかし誰もが口にするのは、Linuxを導入したことで目に見えるかたちの利益が上がり始めているということだ。
米Nyfixは、ニューヨークにある、証券取引を管理する企業だが、同社ではLinuxの採用により今後2年間で、ソフトウェア関連の運用コストを80%も削減するという。これは、同社システム部門のバイスプレジデント、Jim Strasenburghは語った話で、同社では最近までUNIXサーバを主に使用していた。
「我々は今後もかなりの金額を節約するだろう。どの方向へ向かうべきかははっきりしていて、社内で議論する必要もない」(Strasenburgh)
同様に、台湾政府でもLinuxの採用範囲を広げることを計画している。現在Linuxは、台湾政府が使っているソフトウェア全体の約4%ないし5%のシェアに留まっているが、今後3年間で30%まで増えるだろう、と台湾オープンシステム協会のDr. Ching-Chi Hsuは言う。
Linuxの採用は当初、学術機関や政府機関に限られていたが、現在では小規模な企業からや大企業にまで広がりを見せている。
だが、いまでもLinuxの主な用途は、サーバやワークステーションに限られている。馴染みのあるブランドの製品やアプリケーションで、Linux用に書き換えられた製品が増えるにつれて、デスクトップPC向けLinux OSへの関心の高まるだろう。だが、それが広く浸透するまでには時間がかかると、米IBMのEビジネスオンデマンドグループ担当ゼネラルマネージャー、Irving Wladawsky-Bergerは語った。米Novellによる米Ximian買収のような動きも、デスクトップ向けLinuxの普及に追い風となるだろう。
「Linuxへの強い関心が生まれつつある。だが、また一人立ちしていけるようにはなっていないと思う」とWladawsky-Bergerは冷静に分析している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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