「Linux紛争も、やがては忘却の彼方に」:米IBM幹部、LinuxWorldで

 サンフランシスコ-- 米IBMの幹部が6日(米国時間)、Linuxカンファレンスの参加者に向かい、米SCO GroupがLinuxに対して挑んできている法的な戦いは、いずれオペレーティングシステムの歴史のなかの忘れ去られた一章となると語った。 

 IBMのEビジネスオンデマンドグループ担当ゼネラルマネジャー、Irving Wladawksy-BergerはLinuxWorld Conference and Expoの基調講演でなかで、「Linuxを巡る現在の法的問題はいずれ解決し、忘れ去られるものと信じている。成功した技術はだれでも覚えているが、そこに至るまでに力を合わせて克服した障害など、ほとんどの人間が覚えていない」と語った。

 SCOは、IBMがSCOとの間で結んだUNIXライセンス契約に違反して、私有のUNIXコードをLinuxに移植したとし、30億ドルの賠償を求めてIBMを提訴した。IBMでは違反の事実を否定している。さらに、SCOはLinuxユーザーに対しても、Linuxを使用するならコンピュータ1台あたり199〜699ドルでSCOからUNIXのライセンスを購入すべきだと主張している。

 Wladawsky-Bergerによると、このような動きもLinuxの勢いは衰えさせていないという。

 「私はLinuxが先頭に立って革新を推し進めると見ている。今後もLinuxは市場で最も大きな成功を収めたシステムであり続けるだろうし、業界における影響力も小型デバイスからパワフルなスーパーコンピュータに至る、あらゆるものの中で拡大し続けるだろう」(Wladawsky-Berger)

 コンピュータ業界には、Linuxを受け入れるところもあれば、無益な戦いを挑むところもあるなど、各社の対応はさまざまだろうが、「私はLinuxにチャンスを見いだす」と同氏は語った。

 Linuxは、オープンソースのプログラマーたちが、ソースコードを共有し合いながら、協働して開発されたものが、Wladawksy-Bergerはこの状況を個人の論文を自由に公開して、各自の研究を積み重ねていった物理学者に喩えた。同氏は、IBMのライバルである米Sun Microsystemsの幹部が前日に表明したのとは対照的な立場をとり、オープンソースのプログラミングモデルは実際にほかのものとは大きく異なっていると述べた。

 「みんながコミュニティとして協力していけば、一段と大きな革新が生まれるという考えは、今に始まったものではない。物理学が進歩したのは物理学者のコミュニティがあったからだ。生物学や医学でも同じことが言えるし、コンピュータサイエンスやソフトウェア開発ではなおさらだ。われわれが1つのコミュニティとしてまとまれば、非常に複雑なソフトウェアの問題に取り組むことができ、これまでになく優れたソフトウェアを作り出すことができると思っている」(Wladawsky-Berger)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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