Linux市場の重要な部門の1つである大企業は、LinuxがUnixの知的所有権を侵害しているという米SCO Groupの警告に、今のところ慌てている様子はなさそうだ。
SCOはこの5月に、LinuxにはSCOの所有するUnixの知的所有権が違法に含まれていると訴える手紙を、大企業約1500社に送付した。さらにSCOは21日(米国時間)、Linuxを利用する大企業は、ライセンス料を支払えば訴訟の可能性を免れることができると述べている。
しかしある調査によると、大企業がウェブサイトにLinuxを利用するケースが、ますます多くなっていることが分かった。ウェブサーバは、大量のウェブページの配信に使用されるサーバで、ローエンドのマシンで稼動されることが多く、Linuxの安定した市場となっている。この調査は、調査会社英Netcraftが行なったもの。
Netcraftによると、世界中の企業1500社が立ち上げている2万4000ウェブサイトのうち、最近2カ月間で新たに100サイトがLinuxに移行したという。Linuxに移行した企業のなかには、米Charles Schwab、Royal Sun Alliance、独Deutsche Bank、米SunGard、独T-Onlineなどがある。
「アナリストの多くは、SCOの行動によって、大企業がLinuxの利用を諦めるかもしれないと推測していた。しかし今のところ、少なくともインターネット上にあり目に付きやすいウェブサイト関しては、そういった事態にはなっていない」
とりわけSchwabでは、サイトでSSL(Secure Sockets Layer)暗号化技術を多用しているので注目に値する、とNetcraftの広報Mike Prettejohnは述べている。SSL暗号化は負荷の高い技術で、Linuxと他の商用製品とが激しく競い合っている。
SchwabとT-Onlineでは、Linuxへの移行前は米Sun MicrosystemsのSolarisオペレーティングシステム(OS)を使用していた。SunGardとDeutsche Bank、Royal Sun Allianceは、各種のWindowsサーバからLinuxに切り替えた。
しかし一方で、Linuxから他のOSに移行したサイトもある。Netcraftによると、米ColtはLinuxからWindows Server 2003に移行した。またNational Service Industriesと米Valeroは、LinuxからWindows 2000に移行したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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