米Microsoftは、Windowsの次期OS「Longhorn」のサーバ向けバージョンについて、その開発計画をすでに定めている。但し、どんなソフトウェアが含まれ、いつ登場するのかは、依然として明らかになっていない。
Windowsの次期OSであるLonghornのデスクトップ版に関して、Microsoftはこれまであまり多くを語っていない。だが、それに比べても、サーバ版について明らかになった情報はさらに少ない。Microsoftが認めているのは、同社の製品計画のなかにサーバ版Longhornの開発が再び盛り込まれているということだけだ。
デスクトップ版Longhornについて、同社の経営幹部は、画期的な製品であり、社運が懸かっていると言う者さえいる。また同社では、新しいOfficeや、サーバソフトウェア、そしてその他数多くの製品のバージョンも、Longhornの登場と合わせて出荷する予定だ。
しかし、実際にはサーバ版Longhornに関する情報は殆どないといっていい状態である。業界アナリストの話では、Longhorn Serverが、マイナーアップグレードに過ぎないのか、それとも大幅な改良を受けた新リリースになるのかが、はっきりしていないという。
Summit StrategiesのアナリストDwight Davisは、「もし全く新しい製品になるならば、発売はかなり遅れる可能性がある」と述べている。
Microsoftはこの4月に、サーバ向けの新OSであるWindows Server 2003を発売したが、このリリースまでに3度の延期があった。そして、これがもうひとつの潜在的な問題となり得る。つまり、たとえLonghorn Serverが2006年に発売されたとしても、どれだけ多くの企業が、再び新しいサーバOSにアップデートしようとするかは定かではないのだ。
アナリストの中には、サーバ版Longhornは、これまでのWindows製品のバージョンアップと比較しても、わずかな手直しに過ぎないと推測する者もいる。Directions on MicrosoftのアナリストMichael Cherryは、サーバ版Longhornには、たとえば新しいファイルシステムやその他の新技術など、デスクトップ版の新機能と歩調を合わせるための変更だけが盛り込まれるに過ぎないと考えている。
「Longhorn Serverと呼ばれるこの次期製品で、大幅な変更があるとは予想していない。だから、アップグレードではなくリフレッシュと呼んでいる。適応させる必要のあるいくつかの部分を調整するだけだろう。サーバOSの次のメジャーリリースは、もっと先だと思う」(Cherry)
一方Davisは、サーバ版Longhornのリリースについて、Microsoftがそれを見合わせることさえ考えていると聞いて驚いたと言う。
「Microsoftが、デスクトップ版とサーバ版の開発を別々に進めることにしたのは、腑に落ちない。1990年代にはほとんどずっと両者の歩調を合わせようとしてきたのだから」とDavis。Microsoftではもともと、Windows XPとWindows Server 2003を、ほぼ同時に出荷したいと考えていた。
ファイルシステムの刷新
Longhornの目玉として大きく取り上げられている新しいストレージシステムの計画に関しては、Microsoftが約束通りに製品をリリースできるのかという根強い疑問を再燃している。
Cherryによると、Longhornに搭載予定の全く新しいファイルシステムが、Microsoftがサーバ側でもこれに対応する新機能を必要とする、大きな理由の1つであるという。Volume Shadow Copyのようなストレージ機能などのサーバを構成するコンポーネントのなかには、どうしてもアップデートを必要とするものがある。
技術的にいえば、Longhornに盛り込まれる新ファイルシステムは、まったく新しいものというわけではない。ファイル自体が保存されるディスクは、現行のWindowsで使われているNTFSファイルシステムから派生したものを使うからだ。
Windowsクライアント部門で主席プロダクトマネージャーを務めるGreg Sullivanは、Longhornの改善点を「新しいストレージモデル」と呼んでいる。
WinFSと呼ばれる新たなストレージのメカニズムは、ハードディスクに保存された情報を分類する新しい方法である。WinFSは、リレーショナルデータベース技術を利用するが、この技術は同社製SQL ServerのYukonリリースのために開発されたもので、ファイルにより多くの情報を割り付けることで、カレンダー情報、音楽ファイル、その他のタイプのデータなどの、ファイルの仕分けを容易にして、検索能力を高めるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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