Linuxオペレーティングシステムのなかに、UNIXのソースコードが使われているとして始まったSCO Groupの訴訟問題でさえ、開発者によるLinux向けソフトウェアの採用は阻止できないとの新たな調査結果が明らかになった。
およそ400人のソフトウェア開発者を対象に実施した米Evans Dataの調査によると、対象となったIT専門家の70%以上は、SCOの訴訟がLinuxをベースにした技術の採用計画に影響するとは信じていないという。圧倒的多数の開発者は、自分たちがLinuxを利用することの自由をこの訴訟が奪うことは「おそらくない」もしくは「絶対にない」と、Evans Dataに対して回答した。この訴訟が採用計画に影響するとしたのは、調査対象となった開発者のわずか12%に過ぎず、また17%はノーコメントだった。
カリフォルニア州サンフランシスコで米国時間の8月4日に開幕した業界最大のイベント、LinuxWorldカンファレンスの開催前夜に公表されたこの調査結果では、SCOの訴訟もユーザーのLinux採用はほとんど阻止できなかったと結んでいる。SCOは、同社のUNIXコードが不法にLinuxにコピーされとしており、UNIXの改善部分を不正にLinuxに転用しているIBMなどの企業は、SCOへライセンス料を支払うべきだと主張している。
この法廷闘争は、Linuxに大々的に取り組むIBMなどの企業の戦略転換にも、ほとんど影響していないようだ。IBMはLinuxを選択した顧客を新たに5社獲得したことに加え、自社でのLinuxソフトウェア関連の業務拡張についても、LinuxWorldで発表するとみられている。
7月に完了した今回の調査ではさらに、ほかのオペレーティングシステムからLinuxへのアプリケーションの移植が一段と容易になっていることが分かった。この調査によると、Linuxに移植されたUNIXアプリケーションの約45%が6カ月以内に作業を完了しており、またWindowsアプリケーションの移植も全体の47%が完了しているという。
Evans Dataはまた、Linux市場は依然として多くが流動的で、開発者の36%が商用版のLinuxを選び、15%が非商用版を選んでいる。さらに、調査対象となった開発者の49%は、この問題について態度を決めかねているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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