チップメーカーの米Advanced Micro Devices(AMD)は、回復しつつあるチップ市場で、ライバルの米Intelを向こうにまわして、僅かながらシェアを拡大した。
米Mercury Researchが発表した統計によると、2003年第2四半期のAMDの市場シェアは、前年同期の15.6%からわずかに0.1上昇して、15.7%となった。
一方のIntelは、市場シェアを落とし、前年同期の82.8%から今期は82.5%となっている。残りのシェアは、米Transmetaを含むその他のグループによるもので、1.7%から1.8%に伸びた。
だが、同四半期の最大のニュースは、プロセッサ市場が回復傾向にあるということだ。
実際には、この第2四半期に、マイクロプロセッサの出荷数はこれまでの平均を僅かに下回った(この期間に、PCの出荷台数は伸びたが、この2つの市場は在庫や出荷スケジュールなどが原因で同期しないことがある)。だが、ポータブル製品のコンポーネント出荷台数は、記録的な好成績を残した。ノートPC用チップの販売はデスクトップPC用を上回ったが、この分野は一般的に収益性が高い。また、全体の出荷数も上昇している。
AMDは同四半期に、わずかにシェアを伸ばしたが、この栄冠も長くは維持できそうにない。その理由の1つには、2002年第2四半期がひどい結果だったことが挙げられる。AMDはIntelとの価格競争の真っ只中にあり、在庫整理に必死になっていた。この期間、Intelは2001年の第2四半期と比べてシェアを6ポイント伸ばした。結果として、AMDにとっては、今回前年同期の数字を上回ることはやさしかったといえる。
両社の競争は、今年後半さらに加速することが予想されている。9月23日、AMDはAthlon64を発表する。これは32ビットおよび64ビット用のソフトウェアを動かすことができるデスクトップ向けの最新チップだ。
その後、今度はIntelが、Pentium 4の後継であるPrescottで後を追う。このチップは、優れたマルチメディア処理用の新たなインストラクションセットや、さらに性能を向上させるための大容量キャッシュなどを特徴とする。
なお、Mercuryの調査はデスクトップPC、ノートPC、サーバ、Xboxに搭載して出荷される、いわゆるx86プロセッサを対象としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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