セキュリティ問題を改善しようとする試みが業界全体で続いているなか、米Intelはビジネス向けコンピュータのマザーボードにセキュリティソフトを組み込むべく、ソフトウェアメーカーと契約を結んだ。
この契約により、Intelは米Wave SystemsからTrusted Platform Module(TPM)と呼ばれるセキュリティ機能を扱うチップ用に、これを制御するソフトウェアの供給を受ける。TPMチップはIntelマザーボードに組み込まれ、今年第4四半期にも市場に出回るだろう、と同社広報担当者は語った。
ユーザーは、TPMの機能を使って、データの暗号化や復元を行うことが可能になり、またデータが確実にハードディスク内の安全な領域に保存されるようにすることもできる。TPMの仕様は、セキュリティに関する標準化を進める業界団体Trusted Computing Group(TCG)が策定した。同団体のメンバーには、Intelの他、米Advanced Micro Devices、米Hewlett-Packard、米 IBM、米Microsoftが名を連ねている。
ワーム、ハッキング、そしてクレジットカードを使った詐欺の被害で、セキュリティ関連分野はIT産業の中でも、最も注目を浴びる分野の1つとなっており、いまでは大小さまざまなソフトウェア会社が不正侵入を防ぐための新しい製品の開発を進めている。
だが、顧客にセキュリティ技術を導入させていくプロセスは、順調に進まないことが多い。ウィルスの発生やセキュリティの問題の多くは、コンピュータの所有者が迅速にパッチをあてていないことが原因だと、セキュリティ関連のアナリストは述べている。
一方、セキュリティ技術が消費者の反感を買うことも、しばしば起こっている。Microsoftが発表したNext Generation Secure Computing Platformは、映画/音楽会社が自社の作品をどんなかたちのコピーも禁止するのを間接的に許すことになると評論家たちは非難している。
Intelは、1990年代末に、自社プロセッサに「シリアルナンバー」を組み込むと発表し、PCユーザーの怒りを買った。プライバシーの保護を訴える人々は、その番号がウェブ利用者の追跡に使われると主張した。この可能性は多くのセキュリティ専門家が明らかにしたものだった。激しい論争を巻き起こしたこのシリアルナンバー導入のアイデアが、もし実現していれば、TPMとよく似た機能を果たしていたはずである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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