米Microsoftでは、ブロードバンドユーザー獲得への取り組みの一環として、この秋に同社MSNの機能強化バージョンをリリースする準備を進めていると、MSNの幹部が語った。
現在「MSN Premium」との仮称で呼ばれる同サービスは、既存の電話/ケーブルブロードバンドユーザー向けの追加サービスとなる。Microsoftは料金体系の詳細をまだ公表していないが、同社MSN部門の担当バイスプレジデント、Yusuf Mehdiが米国時間24日に行われたインタビューで語ったところでは、同社は月払いと年払いの両方の課金方法を検討しているという。
Microsoftでは現在、ブロードバンドユーザー向けに同様のサービスを、1ヶ月9ドル95セントで提供している。
同社では、AOL Time WarnerのAmerica Online部門などの他社サービスとの差別化を図ろうと、MSN Premiumの複数の機能を大々的に宣伝している。Mehdiによると、MSN Premiumには新しいスパムフィルタリングツールとポップアップ広告のフィルタリング技術が搭載されるという。
同サービスはまた、MSNの電子メールやカレンダーをMicrosoftのOutlook電子メール管理システムと接続。バックエンドにExchangeを使って、MSNとOfficeとの橋渡し役を果たすようにする。
Mehdiのコメントは、投資家やアナリスト向けに行われたプレゼンテーションの中で発言されたもので、ライバルのAOLが今夏に予定される同社オンラインサービスの刷新版開始に向けて、準備を進めているなかでのものだ。「AOL 9.0 Optimized」というこのオンラインサービスは、高速マルチメディアコンテンツやスパムフィルタリングツールなどの各種新機能を提供し、ブロードバンドユーザーへの訴求を図るものになる。
MSNと同様に、AOLも自社ソフトウェアをブロードバンドユーザーに売り込もうとしている。業界用語で「bring your own access」(BYOA)と呼ばれるこの戦略は、AOLやMSNの既存のナローバンドサービスを離れ、電話/ケーブル会社が提供するブロードバンドサービスに移行しようとしているユーザーをターゲットにしている。
BYOA計画の立ち上げは、ナローバンド加入者の大幅減を目の当たりにしているMSNやAOLに、とって非常に重要だ。AOLは米国時間23日、前四半期の間に合計84万6000人の加入者が退会したことを明らかにしたが、その一部はブロードバンドサービスへ移行したという。AOLには現在、合計で2540万人の加入者がいる。
AOLは自社のBYOAサービスを1カ月14ドル95セントに設定しているが、期間限定プロモーションでは1カ月9ドル95セントとなっている。
MSNも加入者の減少については似たり寄ったりの状況だ。Microsoftが4月に明らかにしたところでは、MSNは昨年10月に3億ドルを投じてMSN 8ダイヤルアップサービスの宣伝キャンペーンを立ち上げたにもかかわらず、結局30万人の加入者を失ったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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